人生がときめく片づけの魔法

著者とは昨年の12月に行われた「日本タイトルだけ大賞2010」でお会いしたばかりである。ちょうどそのときに著書を拝見したが、面白かったせいか発売日に購入した。

ではなにが面白かったのか、それは本章とともに見ていくことにしているが、まず言っておかなければならないのが、ありとあらゆる「整理術」や「片づけ術」とははっきり違うところが本書にはある、といっておきたい。

第1章「片づけても、片づけても、片づかないのはなぜ?」
著者は「片づけコンサルタント」として片づけ教室を開いている他、片づけに関する相談などを行っている。
さて、「片づけ」が得意な人でも、いったん片づいても日が経つとまた散らかっている状態に戻っている。そしてまた片づけるという繰り返しをしていることに悩む人が多いことだろう。本書で売りに出しているところの一つとして、「リバウンドしない」が挙げられている。リバウンドしないためには片づけの考え方を帰る必要があるとしている。たとえば「片づけ」を「祭り」と喩えることや、「モノ別」に片づけることなどがある。

第2章「まずは「捨てる」を終わらせる」
今までの「片づけ術」として大きく違う点、それは「ときめき」があるかどうかで捨てるもの・残すものを判断することにある。しかしそれが第一優先ではなく、むしろ「捨てる」「捨てない」の判断がしづらいものに関してもっとも有効であることを著者は言っている。

第3章「「モノ別」に片づけるとこんなにうまくいく」
ここからいよいよ具体的な「片づけ術」に入る。
第1章で取り上げた「モノ別」をまずは行う。第一優先として取り上げられるのが「衣類」。今までの片づけではもっとも厄介なものに分類されたものである。私も一昨年の大掃除で衣類が捨てられず、新たに衣類を買ってしまうとタンスがかさばってしまい、四苦八苦した経験がある。その衣類をすべて並べながらも「ときめく」かどうかで捨てるものを選択するという。他にも衣類ではたたみ方から、書籍や書類、小物に至るまでの整理術が紹介されている。

第4章「人生がキラキラ輝く「ときめき収納レッスン」」
捨てるのが終わったら次は収納である。おそらくこれを間違えてしまうとまた散らかってしまう、いわゆる「リバウンド」が起こりやすいところだろう。
収納を分散しないところから始まり、モノを大切にする心まで説いている。最後のモノを大切にするというところでスポーツを例に題しているが、阪神、メジャーリーグ、そして日本ハムと渡った元プロ野球選手の新庄剛志氏はプロに入団してから引退するまでずっと同じグローブを使い続けたのは有名な話である。かく言う私も時計や鉛筆立てなどは10年以上使っている。モノを大切にする重要性というのを改めて学んだ。

第5章「人生がドラマチックに変わる片づけの魔法」
片づけをすると色々な「変化」を生み出すことができる。これはベストセラーとなった「そうじ術」でも同じことを言っている。過去を引きずることが無くなったり、心が身軽になったり、なぜか体重まで軽くなったりするなど多様である。
本書の後書きに病院に搬送されたエピソードが記載されている、まさかと思ったがよくよくみると著者らしいユニークな理由で病院に搬送されたという。呼んだときには一瞬吹いてしまったが。

中学3年から今まで長い間「片づけ」にまつわる研究の結晶がここにすべて詰まっている印象があった。本書は片づけ術の中では「異端」、かつユニークであり、愉快に片づけができる一冊と言える。私も本書を読んで年末の大掃除をやったが、思った以上に片づけられた。とりわけ衣類と電化製品を片づけることには大いに役立った。

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