本書を手に取ったとき、一番思ったことが「いつの間に・・・」である。両著者とも面識があるのだが、いずれも別々のセミナーやパーティーにてお会いすることが殆であり、私が知っている限り、両者ともお会いできたのは昨年の1度だけである。もしかしたら私の知らないところで共通点を見出し、出版にこぎ着けたのかもしれない。
それは置いといて、本書の話しに移ろう。本書は会話の苦手な人のためのツールとして「スポーツ新聞」を取り上げられている。なぜ「日経新聞」をはじめとした一般紙ではなく、「スポーツ新聞」なのか、そしてそれがどのように役立つのだろうか、中身を見てみよう。
第1章「スポーツ新聞で会話は上手くなる」
まずは「会話」の部分に関して2章取り上げられている。ここではなぜ「スポーツ新聞」なのか、というところが中心である。
日経新聞などの一般紙では事柄に関して、記者や新聞社の思想などが入るものの、内容は多く、かつ緻密なものが多い。
一方スポーツ新聞はわかりやすさとインパクトの強さを中心にしており、内容は一般紙ほど深くない。三橋氏はスポーツ新聞の長所を生かして話しのツボを捕らえて、会話を弾ませることを述べている。
第2章「会話力は簡単に身につけられる」
本章の最初には著者がなぜ会話のプロになったのか、という経緯を綴っている。むしろ自身のコンプレックスの歴史を赤裸々に綴っている、と言うべきか。
その中から得てきた会話の方法・法則について紹介している。
第3章「声が変わればもっとアピールできる」
次は「声」である。「スポーツ新聞」と「声」、共通点がなさそうに思えるのだが、声のトレーニングのツールとして「スポーツ新聞」を挙げている。
本章では声の重要性、さらに好印象を与えるような声とは何か、モテる声とは何かを解説した上でスポーツ新聞を使って滑舌、会話の「間」、そして「決め台詞」などのトレーニングも紹介している。
第4章「好印象になる声のつくり方」
ここでは秋竹氏の前書である「一瞬で相手の心をつかむ「声」のつくり方」から出ているものが多い。また具体的なトレーニング方法については最終章でも紹介している。
おそらく「スポーツ新聞」をツールとして使われるのは、本書が始めてである。娯楽紙として取り上げられるスポーツ新聞であるが、「ものは使いよう」の言葉が如く使い方によっては自己成長の道具として使うことができる。本書は会話術ではあるが、ビジネスとして役立てられるツールとしてまだまだあるという可能性を見いだすことのできる一冊である。
コメント