ニワトリほど日本人にとって親しまれた動物はない。ニワトリの卵は江戸時代の頃からあった(ただし、この時代は高価であったが)。
日本人だけではない。宗教的に牛や豚を食べることのできない国でもニワトリの肉を食べたり、家畜として育てるなど人類の中ではニワトリを忌み嫌う人はほとんどおらず、むしろ愛されていたほどである(ただし日本では「日本書紀」によると、短期間であったが天武天皇の肉食禁止令より食べることが許されなかった時期がある)。
本書はなぜニワトリは人々の愛を独占することができたのか、そのメカニズムについて追っている。
第1章「なぜ人はニワトリを愛でるのか」
宗教的なことで食べることを禁ずる国が少ないことは最初にも言ったが、有名な逸話として日本におけるウサギの数え方の由来である。ウサギは「1匹2匹」と数えず「1羽2羽」と数える。これはウサギはピョンピョンはねることから「鳥」となぞらえて数えられ、食べることができたという話である。つまり日本人は仏教の禁食の掟からニワトリなどの鳥類ははずされていたことになる。
また養鶏をすることも容易であり、かつ一度に何百羽、何千羽と飼育することができる点でも「愛されている」といいうことになる。
第2章「家畜の最高傑作、ニワトリ」
「なぜニワトリは鳥類なのに飛べないのか」
おそらくニワトリを知ったら、必ず一度はこのことについて疑うだろう。本章ではニワトリが最高の家畜となった理由とともに紐解いている。
第3章「ニワトリの栄光と苦悩」
ニワトリの数は他の鳥類より多く、世界一だと言われているが、確証といえるものが存在しないのが事実であるため信憑性は薄い。
本章で紹介されているニワトリの種類が豊富にあること。日本でも「ブランド鶏」があるように同じ国の中でも育て方や環境によって異なる。
第4章「日本人とニワトリ」
第3章でも言ったとおり日本では「ブランド鶏」が存在するほど品種を数えるだけでも数え切れないほど存在するという。本書はその中でも代表的な品種を紹介している。
第5章「答えのない旅」
ニワトリはどのような生き物なのか、それは人間と同じように解明されていないところは多々ある。本書でも「ニワトリ学」という学問をうたっているが、その学問があってもおかしくない(もうできているのだろうか)ほど解明できる箇所が山のように残っている。そうニワトリを完全に解明するという終わりなき旅である。
生物には学問的にも解明されていない様々な「謎」が残っている。本書でも解明できていないところがあると認めており、「ニワトリ」の謎がどんどん解明されはじめ、本書の第二弾が出てきたときにはどのような発見があったのか、期待してみたい。
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