シマウマの逃げ方 ライオンの追い方

株式会社ワダエンジニアリング 島津様より献本御礼。
最近では「草食系」「肉食系」という言葉がよく出くわす。主に私たち、もしくはその周りの人たちを揶揄しているのだが、ビジネスの場でもそのような言葉を使うところもあり、ビジネス書にも存在するほどである。しかしどちらが良い・悪いかはそれぞれの良し悪しがあるため、区別することは難しい。

本書の話に移るが、本書はその草食系を代表する「シマウマ」と肉食系を代表する「ライオン」を、それぞれ「逃げる側」「追う側」として組織、そして働く意味などを「シマウマ」「ライオン」それぞれの観点から伝授している。

第一章「組織とルール」
ビジネスの場では規模の大きさに関わらず「組織」というのが存在しており、その中で「ルール」も設けられている。その中で「助け合いを持つ」「重要なことを優先する」「真面目に生きる」「プロ意識を持つ」「ルールを守る」といった基本的なことを取り上げられている。
そう書いてしまうと「なんだ当たり前じゃないか」と思われがちだが、「基本を守る」ことこそもっとも重要なことであり、かつ成長の為に大切なことであることを教えてくれる。
「シマウマ」と「ライオン」であるだけに「群れ」を「組織」に見立てているため「組織」や「ルール」を取り上げる際にうってつけと言える。

第二章「働く意味」
働くことの意味は人それぞれである。その働くことの中で「効率化」「問題解決」「生き残る」など「働く」ことにおいて、追う側・追われる側それぞれの観点から伝授している。

第三章「変化への対応」
ビジネスの世界では「残酷」なほど変化が頻繁に起こる。この「残酷」こそが大きな鍵で、ビジネスの世界では今日までまかり通っていたことが、明日になると通用しなくなる、もっと言うとそれを行うだけで倒産の憂き目に遭うことさえある。
その「残酷」なまでの変化に対応することが生き残るための重要な要素である。いくら強者でも変化に対応できなければ、一日で弱者に転落してしまう世界である。
この変化への対応の為に、最適な戦略・選択をする、仲間を大切にする、変化する状況でもぶれない心・軸を持つ、むやみに攻めず、攻める時期を待つ大切さなどを本章では説いている。

第四章「快適な社会」
「快適」という感情は人それぞれ異なる。仕事に追いても「快適」と呼べるものは仕事の量にしても、あるいは人間関係にしても。
それはさておき、人それぞれある「快適」を手に入れるために、ピンチの状況をチャンスと意識する、などポジティブ思考を持つ、失敗を反省する、チームワークを強めるなどが本章で取り上げられている。

第一章にも書いたのだが、本書は組織の中で生きる人たちをシマウマやライオンの「群れ」に例えて生存率を上げる、もっと言うと生き残る、共存する為にはどうすれば良いのかを示している。シマウマとライオン、「追われる側」と「追う側」それぞれの視点からのアドバイスが斬新と言える一冊である。