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2013年7月

老いのかたち

かつて「長寿」は縁起が良く、ポジティブに受け取れたのだが、ここ最近は長寿そのものが当たり前となり、むしろ「老い方」の良し悪しによって、良いものとなるのか、あるいは害悪となるとなることさえある。なぜそのように変化したのか、自ら1930年代とあり、高齢者である立場から「老い方」のかたちを定義している。 Ⅰ.「病気待ちの列」 老い方は人それぞれであると言えばそれまでなのだが、年相応の考え方や価値観は持つ […]

「生き方」の値段―なぜあなたは合理的に選択できないのか?

「値段」という概念は、貨幣が出回り始めた紀元前7世紀頃(エレクトロン貨)から、生まれたのだが、物的な価値を計るための「値段」はやがて形の無いサービスとなり、「生き方」そのものにもつけられるようになった。しかし森羅万象に「値段」をつけられるほど安易なものでは無いというのが私の考えである。 しかし、本書のサブタイトルにある「合理的な選択」をする際に、数字で表すことのできる「値段」は参考材料になる。 そ […]

贅沢の条件

今の日本はまさに「ぜいたく」な社会である。日本のみならず、世界的な富裕層のなかにも「ぜいたく」を行っている方は多い。 と考えると、ふと自分自身考えるのが「ぜいたく」とは何なのか、という問いが頭に浮かんでしまう。その問いに自分は「お金に糸目をつけずによけいなものをたくさん買うこと」という答えを小学生の頃から持ち、同時に「ぜいたく」に関する嫌悪感を持っていた。 しかし、今となっては「金遣い」にしても「 […]

不思議の国の「みなみ」 宇宙へつながる秘密基地

私たちが住む地球には、目に見える「物質」と目に見えない「非物質」が存在する。その中でも「被物質」なものには「時間」や「神話」「現実」「空想」「幻想」などが挙げられる。「物質」にも私たちがあまり触れられないものとして「宇宙」が挙げられる。 私たちが生活している中で全く触れられないものは物質・非物質をつなげるもので「数」にフォーカスを当てている。その「数」も1,2,3といった「実数」や「虚数(iの2乗 […]

悪への自由~カント倫理学の深層文法

人には「善」もあれば「悪」の感情や考え方が存在する。本書で紹介する「倫理」についてもまた然りである。しかし本書は「悪」の倫理を論じている訳ではなく、「悪」になることへの自由について、哲学者である「カント」の倫理学をもとに考察を行っている。 第一章「自然本性としての自己愛」 カントが提唱している倫理学の根幹として「自己愛」がある。これは道徳的な「善行」とことなり、「善」ととらえられることもできれば「 […]

ヘンでいい。―「心の病」の患者学

21世紀は「心の世紀」と呼ばれるように、心の充足が求められる社会となった。その状況の中で、精神科に通院・入院をし、治療を行う人も増えている。それだけ精神科医や精神病棟の需要が高まってきている証拠である。本書で紹介される精神科医は一風変わっている。その理由は、一般的な精神科医は患者の悩みを聞き出すなどの「カウンセリング」を行い、時間をかけて治すのだが、本書で紹介される病院は、精神科医や精神科に対する […]

日本は負けたのではない 超経験者しか知らない大東亜戦争の真実

本書の著者である中松義郎という方はご存じだろうか。この方の別名は「ドクター・中松」、日本の発明王をほしいままにした方である。その一方で著者は1928年生まれであり、大東亜戦争にて海軍将校として戦地に赴いた経験を持つ。そのため著者の経歴には、「最後の帝国海軍将校生徒」というのをつけている。 本書は発明家であるドクター・中松ではなく、中松義郎の軍人時代を振り返りながら大東亜戦争とはいったいどのようなも […]

「調べる」論―しつこさで壁を破った20人

研究や仕事において「調べる」ことは重要である。しかし最近ではインターネットの隆盛により、「調べる力」が衰えているように思えてならない。 インターネットでも「調べる」ものもあるのだが、インターネットでは調べきれないものを文献やメディア、あるいは現地の取材をもって調べる事が必要になる。その「情報」を得るために調べ続ける「しつこさ」が大事となる。その「しつこさ」こそ、プロの真髄といえる。本書は弁護士や研 […]

近代発明家列伝――世界をつないだ九つの技術

時代は進化を遂げている。その進化は新たな「発明」をもってなしていき、「発明」が技術や産業の発展を担っていったのは周知の事実である。 その「発明」は偉大なる発明家のトライ&エラーによってなしてきた。本書は技術革新の礎をなしてきた発明家9人を紹介している。 第1章「ハリソン―世界時刻の計測」 今となってはごく当たり前となっている「世界標準時刻」がある。その「世界標準時刻」が発見されたのは大航海時代のこ […]

定年前後の人のための「講師デビュー」入門

著者の鈴木様より献本御礼。 団塊世代が定年退職し、再び働くために別の会社に行く、あるいは会社を興す人もいることだろう。さらには本書で紹介するような「講師」を目指す方も中にはいる。しかし「講師」を目指すにはどうしたら良いのか、そして講師をしたいのだけれども、自分自身の経験や知識を以下に伝えたら良いのかわからない、というかたもいる。 本書は自らのサラリーマン経験とコーチング経験をもとに、講師デビューの […]