著者の鈴木様より献本御礼。
団塊世代が定年退職し、再び働くために別の会社に行く、あるいは会社を興す人もいることだろう。さらには本書で紹介するような「講師」を目指す方も中にはいる。しかし「講師」を目指すにはどうしたら良いのか、そして講師をしたいのだけれども、自分自身の経験や知識を以下に伝えたら良いのかわからない、というかたもいる。
本書は自らのサラリーマン経験とコーチング経験をもとに、講師デビューの手ほどきについて伝授している。
1章「定年後に講師をすすめるこれだけの理由」
会社を定年退職してから、自分自身には色々な「自由」が与えられる。最初に書いたようなことを行うこともできれば、生涯学習にのめりこむ方もいる。余暇を謳歌する、仕事の青春を再燃させる、というのは個人の自由である。
中には定年後には講師を始めたいという講師志望者も少なくない。著者もまた講師への転身を進めており、「社会とのつながり」の他にも、会社員人生で得てきた「知識」「経験」を有効活用ができる、という利点もある。
2章「講師デビューするための準備」
そもそも「講師」というのはライセンスがいるのでは、と言う方もいるのだが、講師業そのものは資格を必要としておらず、自らの知識と経験、ノウハウを相手に伝え、明日からの実践の糧となってくれるようになることくらいである。
また、人前で講演することにおっくうな方もいる。自分自身もかつてそうだったが、これ自体は何度も経験をして、「慣れる」「練習する」ことしか方法はない。
3章「講師デビューの場所はこんなにある―行政関連の講師は穴場」
講師業のジャンルは多種多様である。講師業だけで生活をしている方も少なくない。そう考えると講師業は飽和状態にあるのか、というとそうでは無い。本章では行政機関は講師業の中でも「穴場」と言われている。特に「生涯学習センター」などの地方自治体といった公共で活動しているところなどが挙げられている。
4章「自分に合った「テーマ」はこうして見つけよう」
次は「テーマ」である。テーマを選ぶにはこれまで会社員として培ってきたことを凝縮する、あるいは自分自身にある「強み」を見出すためのテーマづくりが本章にて紹介されている。
5章「講師」として身につけるべき知識と心構え」
講師として身につけるべき力は何か、と言う問いには特段とした「能力」は必要ない。むしろ学ぶべき知識や心構えとして、企画・資料(スライド等)作成・スピーチ・コントなどが挙げられる。細かいスキルについては、講師のためのノウハウ本は多数存在するため、そちらを参考にして、企画を挙げたり、練習したりすると良い。
6章「いつかは商工会議所で講師デビュー」
商工会議所で講師を行うメリットとは何だろうか、商工会議所で行われるセミナーや講演には数多くの企業経営者が参加される。全国の市町村に存在しており、その地の経営者向けに行われるため、講師としてのバロメーターが試されると言っても過言では無い。
しかし裏を返してみれば、講師として確立するための「登竜門」と言える様な場所であるのだという。
7章「呼ばれる講師になるために自分ブランドをつくろう」
講師の世界は様々な人が居る。同じような肩書きやブランド、あるいは得意ジャンルを持ってしまうと、そこで競争が起こり、場合によっては淘汰されてしまう。それを防ぐため、あるいは講師として呼ばれる様になるためには「肩書き」や「キャッチコピー」「自己紹介」などの「文章」やコンテンツなどを磨くことが重要になる。
私の周りにも講演を生業としている方は数多くいる。中には講演を行うために講師になるためのセミナーや塾に通う人も少なくない。それだけ自分で得てきた知識・経験・ノウハウを他人に伝えたい人が多く、飽和状態になるのかもしれない。とはいえ、行政機関や商工会議所などまだまだ必要としている講師も少なくなく、かつまだ需要も多いのは事実である。定年退職で休めるかたもいると思うが、会社員人生で培ってきたものを別の世界で生かすための「講師」もやってみてはどうか。「あなたが講師として必要としている人」は必ずいるのだから。
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