もし「人は誰でも「お金持ち」になれる」という言葉を聞いたらあなたは信じることができるだろうか。
多くの人は「信じない」と答えるだろう。
しかし、それは「お金儲けの方法」としてとらえているからであり、別の方法で「お金持ち」になることができる。それは「節約する」と「殖やす」ことにある。
本書は「お金持ちの一般庶民」となるべく、とある床屋が「お金持ち」になるまでのストーリーを描いている。
第1章「はさみを持った大金持ち」
勘違いしないでほしいのは、ここで言う「お金持ち」はお金儲けがうまいことではなく、「お金を多く持っている人」に過ぎない。
では、本書で言うところの「お金持ち」になるためにはどうすればよいのか。最初は「お金」そのものを知ることが大切である。
しかし「お金」と言っても、千円札や百円玉の用に見えるお金、預金通帳にあるお金もあれば、株券や債券などの金融資産もある。自分自身の「お金の動き」がどうであるか、それを知るだけでもお金の見方がどんどん変わってくる。
第2章「10%の秘策」
ここでは「殖やす」話に入る。簡単に言えば「投資」である。投資と言っても尻込みをする人も多いかもしれないが、実際に利益や給料の10%を積み立てることで、貯蓄をするのだという。主に「投資信託」を薦めているが、元本保証はなく、リスクは個人の責任で行うことである。
第3章「遺言書と生命保険」
よく「骨肉の争い」と呼ばれる相続のトラブルは日本でも後を絶たず、訴訟にまで発展したことまである。それを防ぐためには「遺言書」は必要であるが、正式な書き方をするのではなく、「公証人」に依頼して作成に携わると、なお良いという。
本章では他に「生命保険」を加入する際に考えておかなければならないことについて取り上げている。生命保険は選び方・時期など神経をつかって注意・熟考しておかないと痛い目に遭いやすいためである。
第4章「リタイアメント・プラン」
今では「定年退職」とあっても、完全に無職になることは少なくなってきている。というのは定年の引き上げもあれば、定年になっても体力が有り余っているため、再び働く方もいる。
しかし本当に働けなくなったときに、本章にある「リタイアメント・プラン」を決める必要がある。それは何かというと、主に「年金」など「老後に備えた」資金づくりのことを言っている。
第5章「あこがれのマイホーム」
結婚して、子宝に恵まれると、マイホームもほしくなる。
しかしマイホームを手に入れるべきか、借家でよいのか、あるいは賃貸アパート・マンションの方がよいのか、人それぞれである。
そこで本章では「マイホームを建てる」ことを前提にして、マイホームを購入する際の注意点をまとめている。
第6章「やりくりの達人」
「お金持ち」はすべからくして、お金儲けがうまい人とは限らない。ただ「お金持ち」はすべからくして、お金を使うのがうまい、ということは言える。
それはなぜか、高級車などまとまったものを買いながらも、自分が「無駄」だと思うものには一切お金をかけないためである。それがたとえ「安い」ものであっても、である。
第7章「投資と所得税の話」
投資をする場合は、安い時期に買って、高い時期に売ることが大切だが、その中で「決断」をする事が大切である。またもうけたお金は、きちんと確定申告を行い、税金をきちんと払うことにある。よく「節税」ということを聞くが、まっとうな申告をしている方が最善の「節税」になるのだという。
第8章「ロイ・ミラー学院の修了式」
実は本書で紹介している床屋は「お金の学校」で勉強していた。これまでは全て、受講してきたことを実践した、あるいは修得したものだった。
その「お金の学校」である「ロイ・ミラー学院」の卒業の言葉として、お金のやりくりの重要性、投資の重要性、そして最新の金融情報を手に入れることのメリットを紹介している。
以前、誰かが言っていたことを思い出すのだが、「日本の学校は「お金」を教えていない」ということを聞いたことがある。確かにそうかもしれない。だからでこそ、日本人の多くは「お金」についてわかっていない人が多い。もちろんその「多い」中に私も含まれているが。本書は生きていく上で重要な「お金」のことを、「節約する」「殖やす」ということにフォーカスしながら紐解いた一冊である。
コメント