大人もハマる算数

小学校の時は算数、中学・高校と数学を学ぶ機会がある。また大学によっては数学を学ぶ機会があるのだが、私自身は小中高大とそういう機会があり、私自身も得意としていた。

そこで本書である。本書は大人のために算数を学ぶための一冊であるが、「単なる子供の算数じゃないか」と思っていたら痛い目にあう。しかしその痛い目にあったことによって、悔しくなって解きたくなり、本書のタイトルのようにいつの間にかハマってしまうような問題が12個ある。

1章「虫食い算を解く」
「虫食い算」と言っても様々なパターンがある。例えば3ケタの足し算であらかじめ答え、及び式の中の数字が1つ判明できている段階でどのように虫食いを当てはめていき、式・答えを正しいものにしていく問題である。本章ではそういった虫食い算を3題取り上げられているのだが、公式を当てはめるというよりもむしろ「頭の体操」のような形で解いていったほうが良い。

2章「和差算を解く」
「和差算」と言われてもピンとこない人が多いようだが、実際のところ数学の世界で言う「一次方程式」を解くといったものである。例えば、

「AくんとBくんより○○円多く持っていて、2人合わせて△△あります。Aくんはいくら持っていますか?」

というような問題がそうである。

3章「角度の問題を解く」
図形の問題は算数・数学問わずに取り上げられることが多いのだが、図形問題の基礎の一つとして「角度の問題を解く」というのがある。どのような問題が出るのかというと、「ある角度の大きさを求めなさい」や「角の大きさの合計を求めなさい」と言ってものがある。

4章「ツルカメ算を解く」
算数における文章題の中でもっとも有名なものとして「ツルカメ(鶴亀)算」がある。これは、

「ツルとカメが10匹いて、足の本数は24本。さてツルは何匹?」(p.68より)

というような問題からきている。本章では「みかん」と「りんご」を「ツルカメ」に見立てて問題を取り上げている。

5章「魔方陣を作る」
「頭の体操」と呼べるような算数の問題は1章の「虫食い算」ばかりではない。本章の魔方陣も縦横で列を作った正方形の中に数字が入っていて、法則通りの数字を当てはめていくという問題である。しかも法則に成り立たせるための問題もおける数字が少ないものもあれば、多いものもあるため、なかなか奥が深い。

6章「「場合の数」を解く」
本章では駅と交通手段でもって何通りあるのか、もしくはスタートからゴールまで何通りあるのかという問題を表している。問題は簡単なように見えるのだが、実際には、

「中学入試の中における最難関のジャンル」(p.112より)

とあるだけに、甘く見ていてはいけない。

7章「立体図形問題を解く」
「立体図形問題」のものでもっとも有名なものとして「サイコロ」が使われる。例えば「サイコロを転がす」「サイコロを組み立てる」というのがあるのだが、サイコロもある法則でできているので、その法則を応用した問題が本章でも出てくる。

8章「「マトリックス論理パズル」を」
論理パズルというと、例えば「総当たり方式のリーグ戦の勝敗」といった問題がある。断片的な結果や予想から紐解いていくという問題で、それがマトリックス形式で解いていくというものである。

9章「立体図形の体積を求める」
正直本章は中学の数学で解く問題なのかなと思っていたのだが、中学入試でも扱われることが多く、難問の代表格として取り上げられるのだという。

10章「「こよみ算」を解く」
1年は365日あるのだが、その○日後や「大の月」「小の月」、さらには国民の休日から節句に至るまで、月日を算出する問題を「こよみ(暦)算」と名付けられている。

11章「パズル的な図形問題を解く」
長方形や正方形からいろいろな形の図形をくりぬいて、面積を求めるという問題である。図形問題の一種であるが、小学4年生~6年生までの中で図形の面積を求める問題を学習するため、本章ではそれらを応用した問題が取り上げられている。

12章「和と差の文章題を解く」
2章で「和差算」を取り上げたのだが、本章はそれを応用した「文章題」にした形を取り上げている。切手や文房具、果物を買うときに数量・金額を求めるような問題を本章にて取り上げている。

「算数」と言っても馬鹿にしてはいけないし、何と言っても「数学」といった概念はビジネスにおいて重宝されることを考えると、本書はそう言った頭を作るにあたって重要な一冊であり、なおかつ「頭の体操」としての役割もあるため、息抜きに本書の問題を解いてみると良い。