本書の主人公は特定の人物ではない。「もしもあなたがこのような状況だったら」ということについて「孤独」や「共感」を味わえる短編集である。
全部で11編あるのだが、その一つ一つのストーリー・シチュエーションを自分に重ね合わせやすいものもあれば、シチュエーションがシチュエーションであるだけに重ね合わせにくいものもある。
もちろん最初から最後まで全部読む必要も無く、共感や重ね合わせやすいものをピックアップして楽しむことも可能である。
ただ、本書全て共通していることは「トンネルを掘る」というタイトルに形容しているように、孤独さと息苦しさを感じずにはいられない。一人暮らしである自分が本書を読んでいると余計にそういう感じがしてならない。
短編一つ一つ、個人差はあるものの重ね合わせられること、共感できることなどから全部・部分的に楽しむことができることを考えると「誰でも楽しめる」一冊とも言える。
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