日本流・ロジカル思考の技術

いわゆる「ロジカル・シンキング」はビジネスを行っていくうえで大切な要素の一つである。しかしそのロジカル・シンキングはどのようにして構築していけば良いのか難しいものである。もっと言うと考え方によってそれを磨くことができる一方で、できたとしてもそれがビジネスで発揮できるかどうか、それは仕事や状況にもよる。

そのロジカル・シンキングを日本流として鍛えるにはどのようにしたら良いのか、そもそも「日本流」のロジカル・シンキングは一体何かを取り上げているのが本書である。

第1部「先人に学ぶロジカル思考の技術」
第1章「プライオリティは“急がば回れ”」
プライオリティは日本語でいえば「優先度」である。ありとあらゆる場面をどのようにして想像をして、そしてどのように対応を行っていくべきかを取り上げている。そのヒントとして「範囲」や「質問」「課題」など様々な要素がある。

第2章「トラブル・シューティングは“的を絞り”、“辻褄を合わせる”」
ビジネスの場においてトラブルはつきものである。そのつきもののトラブルをいかにして分析し、原因を突き止め、解決へのアプローチを行っていけば良いのか、そのことについて取り上げている。

第3章「デシジョン・メイキングは、“君子の豹変”」
物事を決めていくうえで必要な要素はたくさんあるのだが、その要素は一体どのようなものか、その要因として「意思決定」の中に「音楽」「物差し」といったものがある。

第4章「リスク対応は、“転ばぬ先の杖”と“泥棒の教訓”」
リスクはどこにでもある。そのリスクを完全に回避することはできないのだが、対応の中で「リスクヘッジ」という「分散」の方法があるという。その方法をどのようにして行うか、その一つとして第1章で取り上げた「急がば回れ」がキーワードとなる。

第2部「「思考プロセス」の実践ノウハウ」
第5章「グローバルスタンダードとしてのラショナル思考」
「ラショナル思考」とは、

「欧米では、論理的に物事を分析するときに、ロジカル・シンキングという言葉が、一般的に使われる。しかし、世の中、ロジックだけでは、対応できない場面が多い。だから、ロジカル・シンキングに合理的な考え方を加味して、それを「ラショナル思考」ということにする」(p.131より)

とある。ロジックと合理に併せ持ったものを表しているのだが、ロジックと合理はどのように違うのか、そしてどのようにして合わせていけば良いのか、そのことについて取り上げている。

本書でいう所の「日本流」は第5章と言っても過言ではない。そもそもロジカル・シンキング自体もけっこう合理的なのだが、日本にも日本にしかない「合理性」は生活の中で行われている。そのことを本書では示している。

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