戦艦武蔵 – 忘れられた巨艦の航跡

日本の戦艦には「大和」「榛名」「金剛」など様々な名前が存在する。その中でも最も有名な戦艦の一つとして「武蔵」がある。その武蔵は1種類だけというイメージが持たれるのだが、実際に調べてみると、幕末から明治初期に作られた初代、明治前半から日中戦争前まで造られた二代目、大東亜戦争にて闘った三代目とがある。その中でも本書で取り上げるのが三代目であり、なぜ造られ、沈没したのか、そのことを取り上げているのが本書である。

第一章「戦艦武蔵の建造」
元々武蔵が造られた理由として「ワシントン海軍軍縮条約」の破棄でもって来るべき日米の戦いを備えてのことである。その武蔵は当時の日本が持っていた技術・ノウハウを駆使して造られたと言われているのだが、海外から観たら「時代遅れ」と言う指摘もあった。

第二章「武蔵沈没」
戦艦武蔵は大東亜戦争を闘っていったのだが、その戦いの中のレイテ沖海戦の中で米軍との激闘の末に沈没をしてしまった。その戦況と闘い、さらには沈没等の原因について本章にて取り上げている。

第三章「戦後の武蔵物語とその特徴」
武蔵は沈没したら乗組員の中には生き残った人もいた。その武蔵は物語や評伝などで語り継がれながら、他の戦艦とともにあるときは神格化し、ある時は様々な形に変えているのだが、そこにはある「特徴」があった。

第四章「語り出す武蔵乗組員たち」
そして生き残った武蔵の乗組員たちも戦争体験とともに武蔵のあった時代を語り始めた、時には新聞・雑誌・テレビなど様々な媒体でもって語られるようになった。しかし現在のような美化ではなく「ありのまま」の姿で語られている。

武蔵は日本を代表する海軍戦艦の一つであった。その戦艦は他の戦艦と同じように今もなお語り継がれているのだが、なぜ武蔵は生まれ、散っていったのかその「ありのまま」を取り上げているとも言える。