フランス外人部隊 その実体と兵士たちの横顔

フランスの軍には一風変わった部隊がある。その名も「外人部隊」であり、フランス国籍を持たない人だけが所属できる部隊である。その部隊とは何か、そして何を任務として、どのような活躍を期待されているのか、実際に外人部隊に所属して、除隊されるまでの日々を綴ったのが本書である。

第1章「「戦場」を経験するということ」
もともとフランス外人部隊の歴史は19世紀にまで遡り、インドシナ戦争などで活躍したのだが、最近ではアフガニスタン派兵もあれば、海外の災害派遣を行うこともある。著者は2004年の10月に外人部隊に入隊した。その著者自身が入隊し、アフガニスタン派兵を行ったときのことを綴っているのだが、まさに死と隣り合わせと言う言葉が相応しい。

第2章「外人部隊兵というお仕事――志願からの五か月」
第1章でも書いたのだが、著者は2004年10月にフランス外人部隊に入隊するのだが、それまでの人生と入隊後はどのような道を進んでいったのかを綴っている。もっとも外人部隊自体の門戸は狭く、合格できない方々もいるという。合格後も過酷な訓練であるのだが、よくある兵隊の訓練とは大きく異なるという。

第3章「パラシュート部隊の”アルカトラズ”な日々」
基礎的な訓練を受けた後はパラシュート部隊に配属することとなったのだが、そこでも過酷な訓練の日々が続いた。その過酷な訓練の中で何を得たのかを取り上げている。

第4章「自分は人を殺せるか」
海外派遣と訓練の両輪の日々が続くのだが、それぞれのところで過酷さがますます増し、第1章でもあった死と隣り合わせの場面に出くわすことも少なくなかった。その体験を通じて何を得たのかを取り上げている。

数多くの体験をしたのだが、契約を満了したのは2011年4月、ちょうど東日本大震災の時期であり、その時のエピソードも綴られている。現在は講演などの活動を行っている。私たちの知ることのできなかったフランス外人部隊のこと、そしてそれを体験してのエピソードを知ることにより、日本はどうすべきかを考えるよい機会となった一冊であった。