「ひと粒五万円! 」世界一のイチゴの秘密

本書のタイトルを見てびっくりしてしまった。もっとも果物にしても野菜にしても単価が「五万円」というのもなかなか珍しいのだが、本書の中には「五万円」で済まされないような果物まである。その果物はなぜつくられ、人気を呼んでいったのか、そのことを取り上げている。

第一部「「ひと粒五万円のイチゴ」美人姫」
なぜ高級なイチゴをつくり、なおかつ人気を呼んでいったのか、そこには「農協」の存在がある。ただしポジティブな意味でなく、ネガティブな意味である。そもそも農協に所属したときに、ブランド開発について制限を負い、なかなか思っているものを開発できずにくすぶっていた。そのくすぶっていた不満が農協離脱を行い、独自の販売ルートを確保し、なおかつ新たなブランドを生み出した。それが「美人姫」である。

第二部「「ひと房100万円のブドウ」ルビーロマン」
「五万円で済まされない」と冒頭で書いたのだが、それが本章で紹介されるブドウである。金額から見るとロマネコンティに匹敵するほどの金額であるのだが、そういった金額が「ブドウ」として売られているという。もっとも100万円だと庶民では手が出せないのだが、もっともこれは初競りでつけられた金額であり、実際にはもう少し安い。とはいえど、素人では確実に手が出ないことはアキラかである。にもかかわらず、なぜそれをつくったのか、そしてどのように売れていったのか、そのことを取り上げている。

共通して言えることは「農協」という枠組みから脱出し、独自で考え、販売を構築し、なおかつ独自のブランドを構築していったのかを追っていると共に、これからの農業のあり方を知ることの出来る一冊であった。

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