杉山清貴&オメガトライブ 35年目の真実 林哲司が作り上げた哀愁サウンドの秘密

「杉山清貴&オメガトライブ」は80年代に活躍し、その時代の歌謡史に残るバンドである。とくにサザンオールスターズやTUBEと共にサマーソングのヒットメーカーとしても知られているほどである。

しかしサマーソングを多く創り上げている一方で、夏の哀愁を描いている歌が多くある。それを創り上げたのは日本を代表する作曲家の一人である林哲司である。活動自体は1980年であるのだが、メジャーデビューしたのは1983年のことであるため、今年で35年目と言われている。その杉山清貴&オメガトライブはどのようなバンドだったのか、そしてどのような曲を創り上げたのか、その経緯とエピソードを作曲家、メンバー、バックバンドらのインタビューを収録しながら取り上げている。

第1章「Blue gray of sorrow」
杉山清貴&オメガトライブを手がけた人物の一人である林哲司のインタビューである。哀愁感を音楽的技巧でもって引き出すことを中心としており、その言葉として本章のタイトルの一部である「Blue gray」がある。それをいかにして引き出したのか、デビューシングルである「SUMMER SUSPICION」の製作秘話も併せて語られている。

第2章「Even though far apart, still in touch」
杉山清貴&オメガトライブの作詞は主だっては2人いる。一人は秋元康だが、もう一人は康珍化である。本章ではその作詞家の一人である康珍化と、ボーカルの杉山清貴のインタビューとともに在りし日の杉山清貴&オメガトライブのことが浮かび上がる。

第3章「The central function of the project」
本章では林哲司氏の作曲に協力した方々のインタビューである。林氏の作曲はどのようなものか、そして「杉山清貴&オメガトライブ」にて収録された音楽それぞれの特徴とは何か、さらに「オメガドライブ」のプロジェクトについても明かしている。

第4章「Great performers, Great alternatives」
最後は杉山清貴&オメガトライブのレコーディング、及びライブなどに参加した方々のインタビューを収録している。杉山清貴&オメガトライブの曲の数々、そして作曲家やバンドメンバーたちの姿などをそれぞれの観点から映し出している。

活動期間こそ1980~1985年の5年間であるのだが、80年代を代表するバンドであったことには間違いない。またそれは終わったわけではなく、現在進行形で進んでおり、今年再結成され、さらに来年には全国ツアーが行われる予定である。80年代に燦然と輝いたバンドは35年以上経った今もなお輝き続けている。