新しい学力

学力にしても定義は様々なものであるのだが、その中でどのようなものを「学力」と定義しているのかは大きく異なるのだが、著者は新しい「学力」を定義している。その背景には2020年の「学習指導要領」の大改訂が背景としてあげられる。その大改訂の中で出てくる「学力」とはいったい何か、それを定義してどう鍛えたら良いのかを提示している。

第一章「「新しい学力」とは何か」
「新しい学力」には2つの定義がある。一つは「PISA型」と「問題解決型」である。前者はOECDが主体となって行われている学習到達度調査によって判明したものをもとにした、学力の在り方を表しており、後者は文部省(後の文科省)の中教審答申によって出てきたものである。その2つの異なる学力の在り方はどのようなものかを取り上げている。

第二章「新しい学力の「落とし穴」」
新しい学力や考え方を求めるために「ゆとり教育」が生まれ、実行に移されていったのだが、学力低下となったことにより頓挫することとなり、元の教育に戻ることとなった。もちろん学力の在り方を変える際に落とし穴が存在していることを知らしめる結果となった。

第三章「本当に求められているものは?」
そもそも学力はどのようなことが求められているのか、その中でビジネスや開発、発明など様々な観点でどのような人材を育てるのかを取り上げている。

第四章「「源流」に学ぶ」
学力の源流とは何か、そこにはルソーやデューイ、日本人の中では吉田松陰や福沢諭吉などを引き合いに出して、学力のつけ方の源を取り上げている。

第五章「真の「問題解決能力」を鍛えよう」
問題解決能力は仕事にしてもプライベートにしても両方において必要なことである。その問題解決をするためにどのような学力が必要なのか、その定義を紐解いている。

学力は教育のなかで最も重要な要素であり、何と言っても社会に出て行くにあたり必要な力である。しかしその学力の在り方は学習指導要領の変更と共に変わってきており、冒頭でも述べたように2020年には大規模な改訂が行われる。そのための準備として何をすべきなのかを本書でもって示しているとも言える。

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