詭弁論理学

元々本書は今から43年前の1976年に出版された。よくある「論理学」はかなりとっつきにくい部分があるのだが、本書はわかりやすい形式にて書かれているため、ある種の「入門書」として、「論理」を学ぶための「言葉遊び」としての要素があり、とっつきやすく作られている所で人気を呼び、本書は現在になぞらえて改版した一冊である。

本書は「論理的」を学ぶよりも「論理」や「詭弁」について言葉遊びの如く学ぶことができる一冊である。

Ⅰ.「議論の種々相」
論理にも種類があるのだが、本章では新聞記事を元にして、どこに論理があり、どの種類の論理なのかを取り上げている。

Ⅱ.「強弁術」
「強弁(きょうべん)」とは、

「無理に理屈をつけて言い張ること、また、言いわけすること」「広辞苑 第七版」より)

とある。もっとも強弁となると権力などがつきまとうイメージが持たれ、かつ論理として考えるとメチャクチャで、体を成していないようにも見える。しかしながら強弁もまた「論理」の一つであり、「強弁」にも相殺法や二分法などの方法もあるという。

Ⅲ.「詭弁術」
本書の中核の一つである「詭弁術」であるのだが、そもそも「詭弁(きべん)」とは、

「1.道理にあわない弁論。非を理に言いまげる弁論。こじつけの議論。
 2.命題や推理に関する論理的操作によって生ずる、一見もっともらしい推論(ないしはその結論)で、何らかの誤謬を含むと疑われるもの。相手をあざむいたり、困らせる議論の中で使われる」「広辞苑 第七版」より)

とある。もっとも「論理」は万能ではない。論理の構造をすり替えていくことによって「詭弁」が生まれる。反面「詭弁」を知ることによって論理の構造と面白さが分かってくる。ではなぜ「詭弁」が生まれるのか、そのメカニズムを取り上げているのが本章である。

Ⅳ.「論理のあそび」
論理を読み解くとなると数学と言った要素もあるのだが、他にもパズルにするといった方法もある。本章では「パズル」にした論理のあそびを取り上げており、どのようなパズルにするのかという具体的な方法まで、ドリル形式にて表している。

論理というと苦手意識を持たれる方もいるかと思うのだが、本書のような入門書を読み解くと「論理」をつくったり、読み解いたりする面白さを見出すことができる。「論理」は一見難しいように見えて面白い、それを実感できる一冊である。