お願いおむらいす

食事は人を幸せにする。もっともお腹も充足するため、心も充足する。その充足をするだけでなく、料理によっては壁にぶち当たってしまう、心を乱される、やきもきするといった感情を癒やす役割も持っている。

本書は「食」によって打ちひしがれたところから脱した時に食を通して葛藤やピンチから脱した方々を取り上げた中編集5編取り上げている。どちらかというとハートフルと言われる部類に入るため、当然心温まるのだが、本書にて出てくる料理が文章からも美味しそうに思えてならず、なおかつ自分自身も食べてみたいという気がしてならなかった。

もっとも「食」は単純に料理だけを食べるだけでなく、その人々のエピソードやぬくもりもまたスパイスになっているのかもしれない。本書を読んでいてそう思えてならなかった。

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