いわゆる「ダークウェブ」や「ダークネット」「闇サイト」とも呼ばれている。いわゆるサイバー犯罪の温床としてもある「闇ウェブ」であるのだが、実態はどのようなもので、なおかつ取り締まりはどのようになっているのか、本書では知られざる「闇ウェブ」のことについて取り上げている。
第1章「サイバー闇市場の実態」
特に表の市場に出回ると逮捕されるようなものを扱い、世界中の「闇」と呼ばれるバイヤー・ユーザーへ販売するといったサイトもまた闇ウェブとしてあげられ、通称「サイバー闇市場」とも呼ばれている。どのようなものが販売しているのかというと偽差圧から偽造パスポート、さらには殺人請負の依頼や麻薬などの違法薬物の販売などもある。
しかも通常の検索エンジンでは検索されず、なおかつ海外のサーバーをいくつも経由したり、Tor(The Onion Router)やI2P(Invisible Internet Project)など身元などを暗号化することにより匿名にするサーバーを経由するため、追跡をすることは事実上不可能となっている
第2章「盗まれた個人情報の行方」
また闇ウェブでは盗まれた個人情報の売買を行っており、売買された個人情報がなりすましに使われるなど非合法のことに扱われることが数多くある。
第3章「サイバー闇市場へのアクセス」
インターネット上に闇市場ができたのはインターネットが一般的に広く使われるようになって間もなくの所である。ちなみにかつて流行していた2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)も闇市場としての一翼を担ったとも言われている。またここ最近広がりを見せている仮想通貨もまた闇市場を拡大させた一因としている。
第4章「「Tor」と捜査機関の攻防」
第2章で取り上げた「Tor」はインターネットにおける匿名化の「規格」としてあり、なおかつツールとしても役立てられている。特に軍などの機密情報における通信の送受信を行う際に盗聴の防止やプライバシー保護の観点にあるのだが、いつしかそれが闇ウェブ利用目的で悪用されるようになり、情報・捜査機関が目を光らせた。そのためTorなどのツールもまたサイバー犯罪を助長するものとして扱われている。現に日本でも情報流出事件や遠隔操作事件などでも使われた。その度に警察をはじめとした捜査機関の攻防があった。
第5章「最大の闇市場「シルクロード」の黒幕逮捕」
闇市場として最大のサイトとしてあげられたのが「シルクロード」であり、世界的にも不正販売の温床として存在した。もっとも先述のあったTorもさることながら、取引自体はビットコインという仮想通貨で使われていたため、闇市場を助長したともあるが、全ての元凶としてシルクロードがあった。しかし2013年7月にFBIによって摘発され、運営者であったロス・ウルブリヒトは逮捕され、現在終身刑の刑罰を受け、服役している。
最大の闇市場である「シルクロード」こそなくなったものの、わたしたちの知らないところで闇ウェブは国内外問わず、いくつも存在している。そのような現状でわたしたちはどのようにサイバー犯罪などから身を守るべきか、セキュリティソフトもそうだが、日常的にどのようなものがあるのかを知り、対処を行うことが肝心である。
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