私はほぼ毎日のように書店に行くだけでなく、週に何日かは図書館に足を運ぶことがある。書店などで買えないような本を読んだり、借りたりするようなことがあるためである。元々小学校の頃からずっと図書館に通うことがあった。時には本を借りる、時には勉強するなどの側面があるのだが、元々図書館は教養だけでなく、「生きる」という意味での図書館としてどのように利用されるか、そして地域に根ざした図書館作りなど、図書館の探訪はもちろんのこと、これからの図書館はどうあるべきかについて取り上げている。
第一章「地域の図書館を訪ねて」
ほとんどの市町村には必ず、図書館がある。図書館というと本を借りるだけかというと、実はそうではない。図書館によっては子ども、あるいは色々な人に対して、イベントも盛んに行われているという。
第二章「子どもたちに本を」
子どもたちに本を与える、あるいは読ませることは私自身も良いことである。その試みは図書館のみならず、学校などでも行われているが、地域と本と、そして親子とのエピソードを取り上げている。
第三章「新しい図書館像を創る」
元々図書館にも「図書館法」という法律によって公共図書館のあり方を定めている。制定されたのは今からちょうど70年前の1950年のことである。それから公共図書館が生まれ、全国津々浦々の地域にて図書館が開設されたのだが、技術革新と共に、図書館のシステムも変化している。その変化が図書館の在り方としてどのような存在になっているのか、そして新しい図書館はどうあるべきなのか、そのことについて取り上げている。
第四章「災害から学んだこと」
図書館と災害は切っても切れない。本章では今から9年前にあたる、東日本大震災により、東北地方では、特に津波にさらわれ多くの人・ものが失われた。図書館やそこにある蔵書も例外ではない。特に残すべき記録や図書について「アーカイブ」の観点から、災害にまつわる図書館の「教訓」を取り上げている。
第五章「一人ひとり,みんなのために」
学校図書館、そして地域図書館それぞれに図書館ならではの役割を持っている。その役割について「ちかい」と称して、学校や地域それぞれの役割と、ミッションを明示している所もある。
第六章「人と本とをつなぐ仕事」
そもそも「図書館」はどのような役割を持っているのかというと、本章のタイトルの通りであるのだが、学校・地域としてのアーカイブの場所であり、また地域に根ざしながら本と人との繋がりを行うなどの役割を持っていると言える。
図書館にしても、本にしても生きるためにあるのは間違いない。しかしただ単に「生きる」と言うのではなく、地域・学校と根ざしながらどう「善く」生きるのかを希求している機関と言える。地域に、学校にありながらも、どのような存在定義があるのか、そのことについて考えさせられる一冊である。
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