タコは料理でも多用されるのだが、独特の食感と姿で苦手とする人も少なくない。そう考えると好き嫌いの分かれる生き物とも言える。
しかしタコとひとえに言っても、種類は多様であり、本書で取り上げる沖縄でも実に多種多様であることがよくわかる。そのタコの能力や感覚、さらには社会性に至るまでタコを隅から隅まで調べ尽くした一冊が本書である。
第一章「タコのプロフィール」
まずはタコのプロフィールを調べるために、タコそのもののルーツを調べてみるところから始まる。しかしそれを調べるにはアンモナイトの化石から始まるのだという。
さらにタコの身体と生涯を明かしている。身体についてはタコ独特の身体的特徴を解剖している。
第二章「タコの賢さ」
言うまでもなくタコにも「知性」は存在する。それは「学習能力」である。その学習能力はいかにして行っていくのか、そして知性を持つ上でどのようなものが必要で、タコに備わっているのかなどを取り上げている。
第三章「タコの感覚世界」
タコの感覚というと触手の「触覚」のイメージが強いが、タコにも「視覚」が存在しており、その視覚でもって、獲物を探すことを行っている。
第四章「タコの社会性」
タコにも「社会」は存在する。というのはタコ自体、単体で生きているわけでなく、同じタコの仲間や、天敵、獲物などありとあらゆる動物との関わりで成り立つ。その成り立ちの中で、本書にて紹介される沖縄ではタコだけでも一つの「社会」として成り立っていると著者は主張している。
第五章「吾輩はタコである」
「名前はまだない」は置いとき、本章ではタコの認知やアイデンティティと言った所を取り上げている。もっとも理性は人間特有のものであるのだが、認知は人間のみならず他の動物でも持っている。そのためタコの認知はどのようなものなのかというのもあり、本章ではそれを分析している。
タコとひとえに言っても色々な種類があるのはわかる。しかし広義におけるタコの生態は知らない部分の方が多い。特に細かい生態については本書に出会うまではわからなかった。そのためタコの知られざる部分がよくわかる一冊である。
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