人には誰しも、何らかの「爆弾」を持っているという。物理的に爆弾を持ってしまうと銃刀法違反にあたり逮捕されるため持っていないのだが、例えば怒りの導火線となる「逆鱗」もまた爆弾の一つである。もっと言うと、過去にあった出来事で生まれた「傷」をえぐる、あるいは塩を塗るようなこともまた「爆弾」として扱われる。
本書はその「爆弾」を持ちながらも、不器用に生きていく女性たちを描いた短編集である。方や中学生、作家、官能小説家など主に文筆業を行っている方々が多くいた。しかし行きづらさの中で心の傷と闘いながら、向き合いながら、生きていく。そして生きていく中で生まれた「恋愛」もある。
生きていく姿は端から見たらちっぽけなものかもしれない。しかし当人から見ると、その悩みや行動は人生の一大事であり、必死にもがいている。そのもがいている姿が、物語として映し出されていた。
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