友達未遂

「友達」や「仲間」といった言葉だと聞こえはいいものの、実際に悪いことだとしても止める人がいなくなり、互いに共犯をすることとなると言う。かつて「ひょうきん族」でビートたけしが言った「赤信号みんなで渡れば怖くない」といった言葉があるように。

本書はとある女子高校の生徒たちが奇妙な事件に遭遇するのだが、その女子高生ならではの「しきたり」に戸惑い、なおかつ4人の生徒たち(先輩・後輩といったものはあるのだが)がどのような関係で進んでいくのかが大きなカギとなる。

本書のタイトルも一見微妙にあるように見えて、物語を読んでいくうちに「絶妙」であることがよくわかる。4人は友達ではなく、あくまでルームメイトであり、先輩・後輩の仲である。さらに言うと4人の仲と家族とのいざこざもあるなど、4人の仲にも変化があるが、それが物語にも大きな影響を与える。ある意味疑心暗鬼になるような展開でありつつ、4人がどのような関係の変化を起こすのか、事件の解決は、と複雑に入り組みながら、その「複雑さ」を楽しめる一冊であった。

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