本書の著者は詩をしたため続けて20年であり、本書は3冊目の詩集である。変わりゆく時代や日常の変化、さらには最新技術への思い、さらには必ずやってくる「老い」と「病」と言った所がひしひしと伝わっていく。
著者自身、18歳からずっと「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」を患っている。「線維筋痛症」とは、
「線維筋痛症」とは、3ヶ月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴いますが、病気の原因はまだよくわかっていません。「公益財団法人日本リウマチ財団」の「線維筋痛症」のページより
とある。原因不明の病気である。それを象徴するのが、第4章「そして」にある「スマホ肩」である。抜粋してみると、
私の左側が
現実の重みに耐えられず
悲鳴を上げるp.140より
とあり、スマホ自体はある程度の重さはあるものの、それ以上に筋痛による痛みにより悲鳴を上げていることがよくわかる。日常の中の喜び、苦しみ、戸惑い、そしてそれ以上に伝わる「痛み」が感じられる一冊であった。
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