警視庁アウトサイダー

警察小説となると、よく「刑事のコンビ」というのがテンプレート化されているように見えてならない。とりわけここ最近の刑事モノの小説となると凸凹コンビで、最初の印象は最悪だった。そこからだんだんと事件を解決することにより、絆を深めるといったものが主になってくる。

本書で取り上げる刑事コンビは表紙右にて描かれている刑事こそワケありを画に描いたような刑事である。それもそのはずその筋を専門としていた所から異動させられ、戻るために刑事にて活躍するという。

しかも2人の所属する警察署の面々もまた個性的で、人によっては腐っていたり、野次馬だったりと本当の意味で「色々な」人物が入り交じる一冊である。またその筋の刑事の相手もまた違う方向で「ワケあり」で、犯人との駆け引きのみならず、刑事同士の「駆け引き」もまた本書の魅力として挙げられる。