わたしが、認知症になったらー介護士の父が記していた20の手紙

昔は「痴呆」や「ぼけ」といった言葉で扱われてきた「認知症」。そもそも病気と言うよりも「傾向」として扱われてきたのだが、ここ最近では「認知障害」にカテゴライズされた「症候群」の一種として扱われるようになった。生活習慣病はもちろんのこと、ストレスをはじめ、多くの要因から発症し、高齢者が罹る傾向が多いが、比率は少ないまでも65歳未満の「若年性認知症」というのもある。

本書はもしも「認知症」になったら伝えたいことを20の手紙にしてしたためている。

第一章「何よりもまず伝えたいこと」

認知症はもはや誰にでも罹る病気だと思っておかしくない。そうするとしたら、一番「伝えたい」こととは何にか、そしてお金・心・家族などハッキリとさせておきたいことなどをしたためている。「終活」にも似た部分ではあるのだが、認知症になった際に介護はもちろんのこと、家族に金銭的・精神的に負担がどのようにかかるのか未知数で有ながらも「伝える」言葉がそこにあった。

第二章「お前が楽になるために」

先ほども書いたように家族が認知症になることにより、家族は金銭的・精神的に負担がかかる。その負担を少しでも軽くするために、今大丈夫な時にできること、伝えられることがないかを綴っている。

第三章「介護サービスの利用にあたって」

介護サービスはピンキリであるが、値段もさることながら、利用する人びととの「相性」もまた存在する。デイサービスを受ける、あるいは施設に入る事があったとしても、残された家族はどう思えば良いのかを示している。

第四章「とても大切なこと」

認知症になったとき、そして自らが死ぬときと様々なことへの「覚悟」と「これから」についてを言及している。

本書の「共有シート」があり、本書を読まれた方に対して明日認知症になったらと言うことを想定したシートがある。その中には価値観や人生、知ってほしいことなどで構成されている。一度やってみると良い。共有シートばかりでなく、もしも家族が「認知症」になったら、さらにはあなた自身が認知症になったらどうなるのか、どうするのかを深く考えさせられる一冊であった。

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