女子野球史

野球というと男性が行うスポーツのように見えるが、「女子野球」もあり高校野球などもある。かつては女子プロ野球リーグもあったのだが、2021年をもって活動休止となった。特に高校女子野球は決勝戦のみであるが、男子の高校野球と同じく甲子園で行われるようにもなっている。さらに言うと女子野球を題材にする作品はゲーム漫画などでも取り上げられているほどである。

そもそも女子野球はどのような歴史を辿っていったのか、本書はそのことについて取り上げている。

第1部「明治大正の女学校野球」

女子野球を取り上げる前に、野球そのものの歴史を紐解く必要がある。元々日本に野球が伝来されたのは1871年に東京開成学校予科(現:東京大学)にてアメリカ人のホーレス・ウィルソンにて教えたことが始まりである。そこから野球の文化が広がってきたのだが、女子に伝播したのは1902年のこと。日本女子大学にて「女子用ベースボール」が考案され、行われ出したことが始まりである。

当時は大学など学校の中で行われてきており、大正でも同様に女学校のスポーツ競技として広まっていった。しかしながら1922年ごろから、女子野球の批判が広がりだし、事実上の「禁止令」も出て廃れていった。

第2部「昭和の女子プロ野球」

冒頭で述べた女子プロ野球は団体として設立・解散を繰り返すこともあった。初めて生まれた女子プロ野球団体として日本女子野球連盟が1950年に発足し、女子のプロ野球リーグが初めて行われた。しかしそのリーグはわずか2年でプロからノンプロ(社会人野球)へと変えることとなり、プロ団体から外れた。

その後1959年に日本女子野球協会が誕生していったがチーム自体が短命に終わる所が続出し、1971年に協会自体も解散することとなった。

第3部「平成からの女子野球」

しかし学校単位における女子野球は行われ続けていたが、ここの団体における活動が中心だった。しかし2000年に入るにあたり日米女子野球が行われるに当たっての実行委員会が結成され、その後日本女子野球協会から、現在の全日本女子野球連盟へと変化していった。ちなみにこちらはノンプロはもちろん中高大の連盟の統括団体として存在している。その一方で、プロ団体も新たに日本女子プロ野球機構が2009年に生まれたが、冒頭に記載したとおり、2021年の無期限休止に伴い再び幕を下ろした。

ノンプロや学校における女子野球は発展を続けている一方で、女子プロ野球は発足・解散が繰り返されており、恒久的な団体ができていない現状がある。それが果たして女子野球としての発展となるかどうかは疑問符ではあるものの、女子野球の発展を考えるにあたり、女子野球としての歴史を見ておく必要がある。その格好の一冊が本書と言える。

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