どうしてわたしはあの子じゃないの

他人との比較は、複数人のいる組織はもちろんのこと、友人や仲間の間でも起こりうる。その「比較」を行っていく中で、優越感や嫉妬、さらには後悔などの感情が入り交じることも往々にしてある。そのためか本書のタイトルにある感情が芽生えてしまうこともある。

本書は中学の同級生だった男女3人が、それぞれの言葉・思いを手紙にしたためて、ある種「タイムカプセル」でもって保管。そして30歳になった時にその保管した手紙を開封して読むというものである。

私自身はタイムカプセルで保管をしたことはないのだが、小中高の思い出の品や日誌などは今も残している。その中であった出来事・経験が今ある価値観の一部になっている。誰しも「小さい頃」という過去があり、感情もあった。時には恥ずかしくて逃げ出したくなるような思い出もあった。そのことを反芻しながら読み進められる一冊である。