孤独なおやじがコンビニ食で2型糖尿病を治した話

著者の甘様より献本御礼。
一見ミスマッチに見えるタイトルですが、著者自身が実際に行い、達成した話を綴っています。

糖尿病と言っても種類がありますが、その中でも「生活習慣病」に属している2型糖尿病を治した体験談ならぬ「実践談」と言えます。本書でも何度も言及していますが、

この本は、医学と栄養学についてまったくの素人(当然のこと無免許・無資格)が、自分の身体を使って行った実験についての回想録です。p.7より

とあり、アドバイス本ではない事を留意する必要があります。ではどのように治したのか見てみたいと思いますが、全部で17章あるため、当ブログではそのうち6章をかいつまんで見ていきたいと思います。

第四章「2型糖尿病は「治る」の定義」

糖尿病自体の中でも「生活習慣病」に当たるのが2型糖尿病です。もっとも2型糖尿病は「運動」や「食事療法」、場合によって「薬」などによって治療を行い、改善することができる病気です。しかし完全に「治る」とは言い切れず、生活習慣の悪化から再発もあり得ます。

本章ではあくまで「著者自身」が定義する「治る」とは何かを紐解いています。

第六章「定説打破その1 カロリーという概念を捨てる」

本書のタイトルからして「食事療法」に該当するのでは、と考えていました。もちろん該当すると言えばそうですが、本書は「コンビニ食」のため世間一般の「食事」とはズレています。またそのズレは本章以降にある「定説打破」にも映し出されています。そもそも著者の考える「カロリー」とは何か、またどうして捨てる必要があるのかを取り上げています。

第十章「定説打破その5 飽和脂肪酸は悪者ではない」

「飽和脂肪酸」はよく健康本やメディアなどでも「悪者」にされます。しかし勘違いしてはいけないのは、あたかも毒物のように絶対接種するなではなく、過剰に摂取してはいけないといっていることです。では他の脂肪酸は健康的で推奨したら良いのかと思いきや、実はそこにも罠があります。本章ではその「罠」の中身を明かしています。

第十一章「定説打破その6 コレステロールはお友達」

よく先述の本やメディアなどで「コレステロール=悪」という図式で主張する所は多くあります。しかしコレステロール自体は体内において必要なものであり、少なくなってしまうとかえって「低コレステロール血症」などの病気にかかることもあります。

コレステロールと「上手く付き合うこと」。則ち「お友達」として考える事を本章では説いています。

第十六章「お勧めのコンビニ食とは」

「コンビニ食」と言うと、コンビニ弁当や揚げ物惣菜を連想する方も多いと思います。しかし著者が勧めている「コンビニ食」はそうでなく、理にかなったものもあれば、一見目を疑うようなものもあります。いずれもどうして勧められるのかも説明しています。

第十七章「それでも貴方は受け入れ続けますか」

著者の考える健康、さらには医療について、著者自身がコンビニ食にて行った健康法において、定説は受け入れ続ける事への疑問を説いています。

「健康的」と言われるような食事であっても、生活習慣病に罹り、逆にコンビニ食や揚げ物などを好んで好き勝手に食べていても、生活習慣病知らずで健康的に生活できている人も少なくありません。

もちろん著者も一つの方法ではあり、他方には勧めていない事を殊更強調していますが、「コンビニ食」自体も食をどのように選び、食すかによって薬になる側面もあります。そう考えると健康は自ら考えつつ、自分に合った方法を行う事は本当に適しているのかもしれません。そのことを気づかせてくれる一冊でした。

一方で、タイトルが「コンビニ食」と銘打っているのであれば、後半ではなく、前半に持っていき、後半に「定説打破」などを入れておくことによって、「コンビニ食で糖尿病を治しました」「しかし定説は打破しなくてはならない」という道筋が立つのではないかと気になりました。

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