70歳からの正しいわがまま

超高齢社会を迎えるものの、70歳になっても現役の人もいれば、もう老い先も短いという人もいます。特に現役・引退問わず70歳になってくると延長戦、と言うよりも人生の総決算という方が良いのかもしれません。

70歳から新たに始めると言うよりも、老い先短い中で最後の「わがまま」をしたい、という方も少なくありません。本書は医者でありながら、治療はせず、看取りを行う医者が多くの70歳以上の方々を見て、本当に「正しいわがまま」を行った姿を映しています。

1章「「死」の場所から「生」を見渡す。私は看取りの医者」

70歳以上の方々を看取っていく姿を見て、感じている所として本章のタイトルにある限りある「生」を見ていると言います。最期の瞬間まで本当に「幸せ」に生き抜いたか、その姿が本章はもちろん次章以降でも映し出されています。

2章「十人十色の正しいわがまま」

「わがまま」の意味、さらには体現は人それぞれ。まさに「十人十色」と言う言葉が適当と言えます。悪い意味での「大人」として「顔色をうかがう」「迷惑をかけない」「慎ましく生きる」などがあります。しかしながら先の短い人生だからでこそ「やりたいことをやり尽くす」人生を謳歌していったエピソードを取り上げています。

3章「おりこうな年寄りになるな」

本章のタイトルだけ切り取ると、「わがままいうな」や「わがままするな」と言うように批判をするような方もいます。しかし本章のタイトルにある「おりこう」は他の人の「言いなり」になる事を意味しており、自ら考え、居場所を見つけ、そして最期の瞬間までわがままを突き通す。その人生を行うための心構えを説いています。

4章「風に踊る枯れ葉になれ」

70歳はもちろん「大人」の類いに入りますが、そもそも第2章でも言及した悪い意味での「大人」をどうしても連想してしまいます。しかし本章では、70歳を過ぎたらその「大人」を捨てて、最期の時まで「自分」を持ち、走り抜くことを説いています。

まとめ

本書は「老い方」の部分をいっているかもしれませんが、最期の時に本当に「いい人生だった」と思えるような生きざまを謳歌できるかもまた人生の醍醐味の一つです。2700人の患者を看取ってきた中での「最期」への生きざまからくる「大切なもの」が著者には見出しており、それが本書にしたためていると言えます。

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