小説

書評

消滅した国の刑事

「消滅した国」と言うと、戦争により国を失った人のことを連想してしまうのだが、実際の所そういったストーリーではなく、この物語に関連するのは「東ドイツ」のことである。冷戦が終わったことの象徴であるのだが、「東ドイツ」が本書のタイトル、そして本書...
書評

彼は二十一歳年下

最近では「熟年離婚」もある一方で「年の差婚」と言うものもある。1年か2年ほど前に男性芸能人が20歳~30歳ほど年下の女性と結婚したという話題があった。 本書はそういった報道の逆であり、女性が年上であるという話である。年の差婚の一つであるが、...
書評

小説あります

小説はフィクション、ノンフィクションはあれども、幅広いジャンルまで扱っている。しかし今も昔も人はなぜ小説を読むのだろうか。 私自身もこの「蔵前トラック」で本を紹介し始めた頃、小説は全くと言ってもいいほど読まなかった。読書観は人それぞれである...
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SF

会社が消えた日

いつもの通り出勤していた矢先、会社そのものがなくなってしまった、という物語である。 気がついたら自分の席がなくなっている、つまり突然解雇されたというエピソードもあれば、いつも通り出勤したら、いつの間にか倒産し、会社も閉鎖されたということは現...
書評

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

「喪失」から「転換」へ、そして「没個性」へ― 本書は過去の村上春樹作品の「集大成」と「現在」を描いているような印象があった。 「没個性」は「色彩を持たない」と言うことにも言うことができる。いや、むしろ多崎つくるにいる周りの人物が、様々な「色...
書評

水平線の歩き方

本書は小説ではなく「脚本集」である。「集」であるのでいくつかの脚本が収録されているが、本書は選りすぐりの3本取り上げている。 <水平線の歩き方> 本書のあとがきにも記しているが、著者の50本目の節目となる作品である。ちなみにこのタイトルの舞...
書評

すかたん

大阪弁ではこのような言葉がある。 「やたけた」…「なげやり、破れかぶれ、自暴自棄」 「ごりがん」…「ごり押しでがんがんいく人」 「すかたん」…「当てが外れること。見当違いなことをした人」 本書はタイトルにある通り、その中でも「すかたん」と言...
書評

ありがとう

当ブログを読まれいる皆様は普段、「ありがとう」を口にしたことはあるだろうか。 私は毎日少なくとも一回以上「ありがとう」を言うようにしている。もっと言うと「ありがとう」を口癖にしようとさえ考えている。 その理由とは何か、自分と他人とは価値観そ...
書評

週末は家族

私の周りには「週末起業」をしている人がいる。平日はサラリーマンとして企業で働きながら、週末、もしくは終業後はサラリーマンとは別に副業として会社を興してビジネスを行う人のことを指す。経済は回復傾向にあるとは言えど、不安のある状態に変わりはない...
書評

GF(ガールズファイト)

美しくも殺伐としたタイトルである。 本書はタイトルのとおり少女たちの戦いを映し出した短編集であるが、戦いの「対象」はそれぞれ異なる。異性の男性なのか、それとも同姓である女性なのか、はたまた自分自身の中にある弱い心なのか、はたまた今の世間を相...
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