小説

書評

無冠の父

著者である阿久悠氏は2007年に逝去された。彼の母校である明治大学に著者の記念館を開設するにあたり、遺された品の中で見つかった「未完の作品」がこの「無冠の父」である。ただ、本書の作品は一度も陽の目を見なかった。1993年に執筆したのだが、校...
書評

ロンリー・コンバット!

「恋に年齢や年の差は関係ない」 と言われているが、ある程度「倫理」と呼ばれるような見えない空気が立ちこめられている。その「倫理」に振れられ社会問題に化することも少なくなく、過去にもそうなったことが起こった。 1993年のドラマ「高校教師」で...
書評

銀婚式物語

「銀婚式」は結婚25周年の時に祝う式である。結婚50周年が「金婚式」と呼ばれているので、それに倣った形で名付けられたのだろう。 著者も本書の執筆中に「本当に」結婚25周年を迎えたのだという。その25周年にあたる日がこの作品の連載一回目に当た...
スポンサーリンク
書評

パトロネ

本書のタイトルにある「パトロネ」は、フィルムに納められている円筒の缶を指している。最近ではデジタルカメラが増えてきているせいか、フィルムと同じようにあまりみられなくなったとも言える。しかし古くからの写真愛好家にとってはフィルムカメラの感触と...
書評

海辺の家族―魚屋三代記

神奈川県大磯町 茅ヶ崎・平塚と同じく東海道線が停まり、「大磯ロングビーチ」が有名である。ワンマン政治で名を馳せた吉田茂の別荘があり、俗に言う「大磯御殿」と呼ばれていたほどである(政界でも隠語として「大磯」があったほど有名である)。吉田茂に限...
ミステリー

モンスター・シークレット

進展のない事件について最新の情報を手に入れようと正義感に燃える記者が話題収集のためにフランスに渡ったときから物語は始まる。 その物語はフランスに行く前まで追っていた事件との館錬成があり、「ナポレオン」や「摂政」などを手がかりに日仏双方から紡...
書評

またやぶけの夕焼け

皆さんは子供の頃、どのような遊びをしていたのか。 私の場合は小さい頃は鬼ごっこ(缶蹴りや手繋ぎ、助けも含む)、野球、あと冬ではそりすべりや雪合戦などもやったことは今でもはっきりと覚えている。 本書の話に移るが、1970年代の子供の遊びを映し...
書評

飛行士と東京の雨の森

東京を舞台にしていながら東京独特の喧噪から外れた所にいるような感覚に陥る。それでいてダークかつ寂しさのあふれる様な作品であった。 東京は日本で最も人口が密集した所であるが、心までも近いかと言われるとそうではなく、あくまで「他人」という意識で...
書評

銀河に口笛

自分自身が振れたことのない雰囲気を醸している。自分自身も昭和の生まれではあるが、物心がついた頃は平成に入っていたため、その「昭和の雰囲気」がいったい何だったのだろうかわからない。今の30代~40代が子供の時、何をして遊んでいたのか、漫画や本...
書評

タイガーズ・ワイフ

一言で言えば「虎の嫁」と言える作品。「嫁」とはいっても年端のいかない少女のことであり、虎と心が通じるからそう呼ばれたのだという。 本書は紛争の戦禍により被害を受けた動物園も舞台の一つとなっている。その紛争の描写はあまりにも生々しいのだが、事...
スポンサーリンク