短編集

書評

月岡草飛の謎

本書は架空の俳人である月岡草飛の謎について追っている短編集である。もっとも作品集を見ていく中で月岡草飛の放蕩ぶりや、突飛な行動などが目立つなど、俳人というよりも、ある意味「廃人」と言うほかない様な人物のように思えてならないが。 自由気ままに...
書評

すべての愛しい幽霊たち

「幽霊」と言うと「怪談」を連想してしまうのだが、本書はそれとは大きく異なる。「幽霊」であるのだが、家族の「幽霊」であり、幽霊になってしまったことによる、家族に対する「喪失感」を描いている。 家族というと、家族模様それぞれ異なるのだが、多くは...
書評

インスタント・ジャーニー

もしも世界一周の旅をするのであれば、数ヶ月ほどかかるかもしれない。しかも昨今は新型コロナウイルスの影響により、入国制限している国もいくつかあり、なおかつ旅行をするにもどうしても避けてしまうような時である。 ただ、空想の「旅」であれば、いつで...
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書評

セヘルが見なかった夜明け

本書の著者の経歴を見るだけでも一つの物語がつくれそうなのだが、その著者は描く物語は何とも繊細であり、なおかつ短編集でありながら、短編1編の中に大きな風呂敷を広げるほどダイナミックな表現に富んでいる。 ちなみに現在は作家の面でも輝いているのだ...
書評

組曲 わすれこうじ

著者は、7年前に芥川賞を受賞したのだが、受賞年齢が最高齢であり、現在も破られていない。元々小さいころから物語を描き始め、26歳の時に「毱」でデビューしたが、その後は執筆はしているものの、表には出ておらず、ようやく出てき始めたのは2010年代...
書評

穴あきエフの初恋祭り

人との距離と「コミュニケーション」、密接にあるものは、時として近づいたり、離れたりするようなことが往々にしてある。 本書はその距離とコミュニケーションの両方を描く7編の短編集であるのだが、そのコミュニケーションは同じ国や地域だけというもので...
書評

ぼくの死体をよろしくたのむ

本書は短編集なのだが、ある種のつながりを持っているようでいてならない。その繋がりの多くは「動物」と言える。しかしどのような動物かというと、ありとあらゆる動物が入り交じっており、なおかつその動物と人間との関係がそれぞれの短編によって異なってい...
書評

友情だねって感動してよ

青春と言うべきか、衝突と言うべきか、少年・少女たちの人間模様をこれでもかというくらい青臭く描いた短編集である。おそらく「思春期」、あるいは「青年期」と呼ばれるほどの多感な時期であるだけに、わかり合いたいといった感情を持ちながら、人間関係の衝...
書評

午前三時のサヨナラ・ゲーム

人間関係の在り方はある種「万華鏡」のように移ろう。しかしその移ろいのなかでミステリーになるような要素もあれば、コメディになるような要素もある。その万華鏡のような人間模様を連作として取り上げている短編集が本書である。 もっともその連作は、タイ...
書評

桜疎水

京都は歴史的建造物が数多くあり、日本を形成づけた史跡が数多くあるところでも有名である。それ故か多くの観光客が押し寄せる所としても有名である。その京都が舞台となるミステリー作品6編の短編集が本書である。 今日との様々なスポットを舞台に事件が起...
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