水の家族


本書は小説と言うよりも「叙情詩」の分類に入るのだが、「死」と「生」について「水」を媒介として映し出している一冊と言っても過言ではない。

死者の目線、生者の目線、その目線の先にある「現在」と「過去」が詩でもって表現されており、なおかつ日常と非日常を重ね合わせながら映し出している。

「生」の水といえば川や海、さらには生活用水などもあれば、生まれてくる時は子宮の中にある羊水でもって命を育ませる。そして「死」における水も「三途の川」と言うのがある。それを考えると「生」と「死」は「水」に関連しているといっても過言ではなく、また人生は流れる水の如く過ぎ去っていくことを如実に表している。

丸山氏の「小宇宙」を表しているが如く、日常を描きながらも、その中にある不思議な感覚を詩にしたためているため、読んでいる方からもそれがダイレクトに伝わってくる。

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