戦犯の孫―「日本人」はいかに裁かれてきたか

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今年で第二次世界大戦、および大東亜戦争が終わってちょうど70年を迎える。その終戦後、A級・B級・C級に戦犯がカテゴライズされ、多くの人が処刑されたり、禁錮刑を受けたりした。1952年にサンフランシスコ講和条約により名誉回復となったのだが、戦犯の子孫たちは今もなおそのことにおける重い十字架を背負っている状態にあった。本書はその戦犯の子孫たちに直接取材を行い、その苦悩について描かれている。

第一章「A級戦犯の孫たち」
本章で取り上げるA級戦犯の子孫は4人である。その4人は東条英機・土肥原賢二・広田弘毅・東郷茂徳であり、それぞれの戦犯の素顔とその子孫たちがどのような境遇にあったのかについて取り上げられている。一人は戦犯の孫と公にして言論活動を行い、もう一人は陰口をたたかれながらもひっそりと暮らし、一人は祖父のために国や神社に訴え、一人は祖父と同じ職業に着き、後に言論人になっていった。

第二章「「日本人」は海外でいかに裁かれてきたか―対日BC級戦犯裁判」
日本・台湾・朝鮮人のBC級戦犯は約5,600人にまで及ぶ(Wikipediaより)。しかも戦犯の裁判は日本のみならず、当時の中華民国やフィリピン、当時のビルマ(現:ミャンマー)、インドシナなど様々な国で裁判をかけられ、刑罰を処された。しかし裁判をかけられた場所によっては処刑が多かったり、あるいは処刑者が少なく、禁錮者が多かったりした国もあった。本章ではどのような国々で裁判をかけられ、刑罰をかけられ、そしてどのような日本兵がどのような思いをしてきたのか、日記などをもとに取り上げている。

終戦して70年を迎えた今年、安倍談話が生まれた。その談話には過去の反省とともに、未来に向けたことについて滔々と綴られていた。もちろん過去に目を向けることも必要であるのだが、私たちは今とこれからを生きる。過去があって現在があり、未来へを向かう線があり、それを私たちは過去を総括し、これから生きていく糧にしていくことが必要である。その一つとして本書がある。

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