密着 最高裁のしごと――野暮で真摯な事件簿


民事・刑事ともに法律的に最終的な判断を下す場として「最高裁判所」がある。その裁判所の裁判官は長官も含め全部で15人いる。その15人は衆議院総選挙の際に国民審査が行われ、過半数の不信任で罷免されるような仕組みになっているのだが、現時点で罷免者は一人も出ていない。

それはさておき、最高裁は判決が出る、あるいは裁判が開かれるとニュースになることが度々あるのだが、そもそも最高裁の仕事とは一体のようなものか、知られざる部分について密着している。

第1部「家族のあり方を最高裁がデザインする(民事編)」
第1章「わが子と思いきや赤の他人だった」
血縁関係や親子関係など「骨肉の争い」と言うわけではないのだが、関係が法律的に認められるか否かにまつわる法廷闘争は存在する。その法廷闘争はいかにして判決まで持っていったのか、その合議について取り上げている。

第2章「夫は「主人」ではない 妻のアイデンティティ」
これは昨年話題となった「夫婦別姓」の裁判である。結果的には夫婦別姓が認められない判決となったのだが、議論がまだ残っている状況にある。その「夫婦別姓」は大法廷の中でどのような議論があり、判決があったのか、「憲法判断」「憲法解釈」をもとに説明している。

第2部「市民が裁く罪と罰 手綱をにぎる最高裁(刑事編)」
第3章「死刑と無期懲役のわかれみち」
死刑と無期懲役の線引き、殺人事件の中では結構あるのだが、「永山判断」という解釈がよく用いられる。それは殺害した人数によって死刑になるのか、無期懲役になるのか、有期懲役になるのかが分かれる。その分かれる基準は裁判員裁判で変容しつつあるのだが、その変容を相容れられない裁判官もいる。それは次章でも言及しているのだが、本章では殺人事件の量刑の基準について取り上げている。

第4章「求刑越えに「待った」をかけた最高裁」
最後は求刑越えの判決である。裁判員裁判では求刑越えも何度かあるのだが、高裁では裁判員裁判の判決を破棄し、さらには判決文にてそのことを批判することが度々ある。本章でもそのモデルケースとなった刑事事件のことについても言及している。

最高裁の現場は私たちの生活の中では理解しがたいような所がある。そのことをモデルケースとともに解き明かしているのが本書である。

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