迷子の大人

いわゆる「迷大人」と言うべきなのか、それとも「いい年こいて」と言うべきなのか分からないのだが、迷った大人がいるという。

しかし本書の言う「迷子」とは物理的に親が見つからないと言ったものではなく、人生において「迷っている」ことを指した「迷子」を言う。その迷子から脱出するためによくあるのが「自分探しの旅」なのだが、本書で取り上げる女性もまた自分探しの旅のために特急列車に乗って旅をするという。冒頭で

「午後八時発の特急スーパーあずさ33号。この列車に決めたのは、たんに私の名前が畠山梓だから。それだけだった。」(p.7より)

だという。それだったらどっかのヒット曲である8時ちょうどに「あずさ2号」に乗って自分探しの旅をしたら良いのではとついつい思ってしまう。(そうしなかったのは大人の配慮なのかもしれないが)

仕事に自信を失った女性が旅先でどのような人々に出会い、どのような思い出をつくり、きっかけを得るのか、それを紡いでいるのだが、もし人生に迷ったのであれば本書を読んでみると良いのかも知れない。

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