教科書に書かれなかった戦争

教科書に書かれなかった戦争の最後を飾るのは、「朝鮮近代史を駆け抜けた女性たち32人」となっている。朝鮮近代史なので日本では戦前にあたり、韓国併合によって日本の植民地になっていた時代の朝鮮にいた32人の女傑たちを紹介している1冊である。

まずここで断わっておくが、本書を読んだからと言って自虐史観への転向などは一切しない。日本でも今の韓国に徴兵制の在り方を教え、本来の愛国心を教えたということには変わりはない。しかし韓国の独裁主義と左派主義による洗脳教育によって屈折してしまったことは皮肉である。

さて32人の女傑であるが多くは朝鮮独立運動(三・一独立運動)にかかわった人であったが、様々な角度から男尊女卑社会(朝鮮王朝では「経国大典」が聖典として使われ、その中で男尊女卑の社会が育ったといわれている。しかし、儒教の教えもあり女性の立場と言うのは地位的には不利とはいえど精神的には優位に立っていると私は思う)の流れを断ち切り様々な場で女性の確立を行ってきた者たちもいる。それを考えると単なる朝鮮礼賛というものではなさそうである。

女傑の多くが三・一独立運動にかかわった人と言ったが、ちょっとここで話が外れるが朝鮮半島でも三・一運動など独立運動はいくつか起こっている。しかし日本軍や警察の弾圧によってそれ自体が鎮圧されたということは朝鮮に限ったことではなく、同じく植民地だった台湾でも行われていた。ここでも独立運動での弾圧も行われておりしかも虐殺なども起っていた。

中国側は60万人と言っているがこれ自体は真っ赤な嘘である。いくつかの文献には書いてはあるが全部を総合計しても、蒋介石が行った二・二八事件よりもはるかに少ないとされている(ちなみに二・二八事件の犠牲者は約28,000人)。台湾では独立による反乱は起こったものの、しかし現在の日本人が忘れてしまったものを台湾は今でも根強く残っている。これは戦前の日本での厳格な教育の賜物と言える。

話を戻す。本書の短絡的な感想としては、こういうのがなぜ教科書で書かれなかったのかが知りたいと思った。この内容であったら日教組は喜んで飛びつくと思うなぁとつくづく思ってしまうのは私だけであろうか。日教組はこういうのが好きだからおそらくこれを見た後に本書を読むのではないかとも邪推してしまう。