演出、美術、通訳、音楽、衣服、写真…と様々な世界で「魅せる」方々が何を愛読しているのか、と言うのを紹介した一冊である。
様々な世界で「表現」をし、人々を魅了させる人たち。その表現を醸成させるために何を読み、糧にしてきたのかがよくわかる。
紹介されている本も結構面白く、「名作」と呼ばれる本はほとんど無い。むしろ「スミ箱」と言えるような本が多い。まるで焼き魚の美味しい所の如く、その「スミ」である所の本がいかに面白く、深いのかと言うのを示している。個人的にも本書を読んでみたい本はいくつかあった。
本は読み方もそうであるが、「どのような本を読んだか?」と言うのも大きなプロセスとなる。ある人は専門的に極めようとその類の本ばかり読むひともいることだろう。ある人は私みたいに様々な種類の本を掻い摘んで読むひともいることだろう。
「なんの本を読んだか」というプロセスがその人の人生や表現が変化をする。書を読み、様々な人・ものと出会うことによって人の表現は無限に変わるのだ、と思える一冊であった。
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