友だち不信社会

「友だち」と呼ばれる存在は学校・会社問わずかけがえのない存在である。しかしその「友だち」そのものの存在が信じられないものになってしまっている。もっとも「いじめ」が顕在化した80年代後半~90年代前半もあるのだが、インターネットなどが普及したことにより「掲示板サイト(裏サイト)」やメールなどでの誹謗中傷の書き込みやメールが相次ぎ、それが心の傷となり、自殺に追い込まれる人もいる。

本書はそのかけがえのない「友だち」さえ疑心暗鬼に陥る原因、そしてその人間の心理と真相について考察を行っている。

第1章「恐怖のウワサ話」
ウワサ話ほど怖いものはない。ただ諺に「人のウワサも75日」にあるとおり限定的なものである・・・と言いたいところだが、誹謗中傷の書き込みにより、75日ですむどころか、学校を卒業してもウワサ話が続いているという。
ウワサ話は学校だけの話ではない。大人社会でも同様のことが起こり、それが被害者の立場が大いに揺らぐことさえあるのだという。ウワサ話による中傷はもはや子供だけの問題ではなくなってしまった。

第2章「ウワサの真相」
そのウワサについて、子どもの場合と大人の場合に分けて紹介している。自己顕示の為、他人の貶めるため、自らの秘密を守るためなど動機は様々である。

第3章「なぜ、人はウワサを流すのか」
人のウワサを流す心理、相手に対する妬みや恨み辛みといったものもあれば、単なる快感を求めるためなど悪意なく誹謗中傷や攻撃をする人もいる。「他人の不幸は密の味」という言葉はよく言ったものであり、本章でもそのことについて紹介している。

第4章「心の病にならないためのウワサ対策マニュアル」
ウワサ話、誹謗中傷はことによっては「心の病」の原因になりかねない。いじめや貶めなどの対策をケースごとに紹介している。

「友だち」と言う言葉は仲間意識を持たせるものなのだろうか、それとも「不信の象徴」なのだろうかわからない。しかし「ウワサ」は技術の変化とともに凶暴化している現状がここに現れている、そう言える一冊である。