音楽とは何か-ミューズの扉を開く七つの鍵-

「音楽とは「音」を「楽」しむためにある」

これは私が高校時代、吹奏楽部の先生に教わった言葉である。音楽の世界を去ってからもその言葉は今も信じている。

私は中学・高校と吹奏楽を、大学ではオーケストラの部活やサークルに入り、音楽漬けの毎日だった。もっと言うと小学5年生からの器楽隊も含めると、実に12年もの間、傍らにはいつも「音楽」が会ったように思える。

その「音楽」とはいったい何なのか。今ではクラシックやジャズ、ポップスやロック、民族音楽などジャンルを挙げると枚挙に暇がないほどである。しかし「音楽」そのものの本質に迫った本は私がであう限り無かった様に思う。
その「本質」を迫ったのが本書と言える。

第1章「音楽は魔法である」
たった一つのフレーズやリズムだけで人が歓び、悲しみ、楽しみ、そして癒してくれる。そこには口頭や文章に表れる「言葉」という訳でなく、「リズム」や「音」だけでそのような感情に訴えかける。その音楽は「音楽療法」など医療の現場でも使われるのだという。そういう意味では「魔法」と呼ばれる所以なのかもしれない。

第2章「音楽はシステムである」
音楽は様々な旋律やハーモニー、さらには楽器など、様々な要素で構成されているものである。その要素がかなりあって一つの「システム」となる。

第3章「音楽は表現である」
音楽は様々な要素が重なり合うのだが、その重なり合いが「風景」などになり、一種の「表現」になる事ができる。

第4章「音楽はリズムである」
音楽には緩急の差はあれどリズムがある。当然楽譜には「4/4」や「6/8」と言ったものなどがされているように、一定の拍子でリズムを取りながら音楽が奏でられる他に、ダンスにおけるリズム取りにも使われる。

第5章「音楽は旋律である」
音楽は「歌」をはじめ、楽器で演奏されることによって生まれる。とりわけ「歌」は旋律を奏でるに当たり、無くてはならないものである。その旋律が「音楽」における、「表現」などの根幹をなすことができる。

第6章「音楽はハーモニーである」
旋律と重なる部分があるのだが、「ハーモニー」は「旋律」や「伴奏」、「リズム取り」と言ったものが重なり合うことからきている。元々「ハーモニー」は古代ギリシャにおける「ハルモニア」から来ている。
第7章「音楽はコミュニケーションである」
音楽は旋律・伴奏・リズムのやりとりだけではなく、演奏者と聴衆とのコミュニケーションで成り立っていると行っても過言ではない。そのコミュニケーションは聴衆にしても、演奏者にしても人それぞれ異なる。

音楽は不思議なものである。言葉ではないが、自らの感情を響かせ、揺さぶられ、動かす。それが「感動」という文字となり、心身ともに満足する働きをする。それを哲学的に論考するのは難しく、本書も哲学的な部分もあり、読み解くのは難しい。それだけ紐解くのには時間を要するものなのかもしれない。

ただ一つだけ言えることは、嗜好や考え方もあるかもしれないが、理屈抜きで色々な音楽に触れることである。その中で論理を超越したものを呼び覚まし、それが感情に変化を呼び起こすのだから。

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