わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!

旅は見識・了見を広めるだけではなく、楽しみ・価値・精神そのものを、様々な形で大きくさせる。その旅行の範囲は広ければ広くなるほど、その旅の意義は大きなものになる。世界一周したらなおさらだ。

しかし本書の著者は「世界一周」どころではないほど旅をしている。まさに「人生は旅なり」を体現しているのではないだろうか、と思いさえする。約40年以上にわたって世界を旅してきた著者はなにを見つめ、学んできたのだろうか、本書はそれを自らの体験談とともに綴っている。

第一章「「世界の旅」は、人生の学校だった」
著者が世界中を旅することができたきっかけは「世界の旅」という番組にあった。「兼高かおる世界の旅(TBS系列)」の初回放送は1959年12月、ちょうど「ミッチーブーム」の真っ只中である。
それから約31年もの間、取材として150カ国もの旅をした。第三章のタイトルにもあるとおり「地球180周」にも及ぶほど距離を旅したというのだから驚きである。
取材を始めた当初は海外旅行そのもの珍しいものであり、「1ドル360円」の固定為替であるため、現在のように容易に旅行することができなかった。
海外旅行ができたとしても言語や文化・マナーも大きく異なる。それを知らなくては取材にもならないし、現地の方々にも粗相を起こしてしまう。そのために事前の勉強も書かさなかった。
テレビに映る身であったため、服装にも気をつけたことなど様々なエピソードと番組終了までの顛末を綴っている。

第二章「旅をしながら見えてきた世界、そして、日本」
「日本人は日本を知らない」
あるCMで出てきた言葉である。
日本に住んでいてわかるものも多いのだが、それ以上に日本から離れてはじめて「日本」の良さを知ることができることもある。
他国のことを知る、そして自分の国を知ることによって親近感を増すこと、日本人独特の礼儀正しさが世界的に好感を持っていること、そして旅の必需品と注意について、本章ではそれらを教えてくれる。

第三章「地球の旅は180周。人生の旅はまだ1周目」
1990年に「世界の旅」が終わり、その中で過ごした「日常」と31年間取材を続けた「世界の旅」の回顧。海外取材から離れて気づいたこと、そして日本の奇異さ、そして自戒を込めての提言、幸せについての提言をしている。

「旅」は人生を楽しくさせ、人間を明るくさせ、そしてなによりも人間的な奥深さを深めることができる。その31年間の結晶が本書に詰まっており、かつ、旅をしたがらない私たちの世代に向けての激励の言葉と言える。

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