帰ってきたK2 池袋署刑事課 神崎・黒木

K2と言っても、世界第2位の山(カラコルム山脈測量番号2号)のことを指しているわけではない。本書はタイトルにもある池袋署刑事課の2人である神崎と黒木の頭文字からとったもの、もしくは「キワドイ2人」のキワドイの「K」と2人の「2」の両方の意味を持っている。

このK2は2010年から2014年にかけて小説現代で連載し、2014年に初めて単行本化された。まさに「水と油」のような凸凹コンビのように見えて、以外とウマが合い、池袋にて起こる事件を解決していくと言うものである。しかも2人の関係が反響を呼び、昨年の9月~10月にかけてテレビドラマ化されたほどである。

本書はその続編にあたる一冊である。ある事件を解決するために2人は動くのだが、池袋署自体が動いた。それは2人を操作から外された。なぜ外されたのか、困った事件を見過ごせず、解決に導いていくか、池袋中を駆け巡り、そして解決へと導く2人の姿がここにある。

刑事ドラマにしては非常に読みやすく、なおかつ展開自体も爽快である。ただ刑事作品となると緊迫したものがあるのだが、本書にはそれが無いため、重い展開が苦手な方であれば本書は適している。