すごい!電話術

電話というのは声で人柄が伝わる。コミュニケーション力を鍛えるには格好の手段であるが、言い方ひとつで顧客の信頼を得たり、失ったりすることがある。コミュニケーション力を鍛える一つとして電話であるが、この電話術にもコツがいると言うので本書を手に取った。

第1章「あなたの電話の基礎力はどれくらい?」
電話をするにあたって基礎的なことを測ったほうがいい。この章での「基礎力テスト」はぜひやった方がいいと思う。自分がどれだけやっているのかというのを踏まえたうえで本書を読んだ方が身につき方が違う。

第2章「電話を制する者が仕事を制する」
電話は究極のコミュニケーションであるがこの電話の仕方にもいろいろあるもので、「外出中の同僚あての電話を取った場合」や「困った相手の対応の仕方」、「不満を言い続ける相手の対応の仕方」と言ったものまである。後者の2つは厄介なものであるが、しっかりとした対応で信頼を生むのみならず、時間の無駄を防ぐ。本書の正しい例のような切り返し方を学ぶことは社会人として生きることで、備えあれば憂いなしと言っていいだろう。

第3章「聞くスキルが電話の成否を分ける」
コミュニケーション力の中でも「聞く力(聴く力)」は重要なウェイトを占める。そのため大概の企業は新人の機関は「電話番」をやらせるという。本書には「聞き上手への道の10カ条」がある。

1.電話のマナーを知る
2.相手の声の調子を聞き取る
3.相手の話に集中する
4.相手の話を遮らない
5.相手の話を先入観で聞かない
6.相手の話に共感、受容する
7.相手の話を否定、拒否、批判しない
8.相手の話に相槌を打つ
9.自分の言葉で質問する
10.メモを取り、復唱する

私は聞き下手になってしまっているような感がある。SEである以上コミュニケーション力というのは非常に重要である。特に4、5、7は意識したほうがいいと私自身思った。

第4章「相手を動かす電話術」
相手を動かすための電話術について書かれている。とく営業の方にはこれはもってこいと言っていい。「道案内」や「提案」と言ったものから「相手を不安にさせない」「説得」と言ったものまで例示されている。

第5章「苦情・クレーム電話を力に変える」
クレームというのは電話でも会話の中でも非常に嫌な部類に入る。私もアルバイト時代はクレーム対応に苦しんでいた時があり、そのことによって店の信頼を崩してしまった失敗もある。ただクレームというのは対応次第で信頼感を勝ち取ることができる大きなチャンスと言える。さらに電話においての「聞く力」、そしてコミュニケーション能力を鍛えるうえで格好の訓練となるのがこれだと私は思う。この技術を鍛えたら鬼に金棒、百人力と言っていい。

電話は声で伝えるコミュニケーションの手段である。その中でどのような電話をしたらいいのかというのは実践を通しながら、そして本書を学びながら上達することが非常にいい手段である。