世界的な名画であり、イタリアの画匠であるレオナルド・ダ・ビンチの代表作の一つとして「「モナリザ」の微笑み」が挙げられる。その「モナリザ」はダヴィンチの友人の妻が「モナリザ」だったことから作品名が「モナリザ」になった。
「世界的名画」として取り上げられる「モナリザ」だが、「微笑み」をはじめとした多くの「謎」が残されている。本書では「モナリザ」を巡る謎の数々について取り上げている。
Ⅰ章「モナリザは微笑んでいなかった」
いきなり衝撃的な事実だが、「微笑んでいる」絵がモナリザの醍醐味であるが、実は「合成画」と呼ばれるものであり、作られた「微笑み」だったのだという。その理由について、過去にダヴィンチが描いた人物画をもとに「骨格」をはじめとしたダヴィンチが描く顔の輪郭を「解剖(分析)」行い、ダヴィンチ作品の傾向を明かした上で、「モナリザ」の顔の輪郭について分析している。
Ⅱ章「ピカソが盗んだ「モナリザ」」
「モナリザ」の絵画はあまりにも有名であるが故に、破損事件・盗難事件が後を絶たない。最も有名な例は1911年にフランス・ルーヴル美術館に所蔵した「モナリザ」の絵画がフランス人画家により盗難された事件が起こる。その事件を巡ってフランス人詩人・ギヨーム・アポリネールも容疑がかけられ、詩人と友人だったピカソも嫌疑をかけられ警察に連行された、と言われている。後にイタリア人の元職員が盗んだことが発覚したのだが、このことにより「モナリザ」の注目が上がり、世界的な名がとして確固たる地位を得た。
しかし著者に言わせれば、ピカソも「モナリザ」を盗んだのだという。しかし実物を盗んだわけではなく、「モナリザ」の輪郭や画風を盗み、後々の作品にも反映した。
Ⅲ章「世界は、私たちが知っている以上に、つながっている」
モナリザの「微笑み」はⅡ章にも書いたようにピカソの絵画にも影響を受けているが、影響を受けた所は他にもある。本章ではフランスの「ランス大聖堂」にある「微笑みの天使」やアンディー・ウォーホルの絵画「マリリン」をはじめ、多くの絵画、彫刻などを取り上げている。
世界的な名画である「モナリザ」には色々な謎がある。本書は「美術解剖」の観点からモナリザに隠されている「謎」を解明しているのだが、解明すればするほど、美術作品の奥深いと言える。
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