神隠しの教室

学校の中に「神隠し」があるという物語である。「神隠し」というと古いホラー作品というか、ミステリー作品のイメージがあるのだが、本書はその両方にも当たらない。

もちろんホラーな部分もあるのだが、それ以上に子どもたちの勇気が試されるようなことが何度もあり、なおかつそれが子どもと大人の関係と、大人が行うこどもの関わり方について取り上げている。

もちろんミステリーの要素もあるのだが、警察や殺人事件といったドロドロとしたものではなく、むしろ大人たちによって子どもたちがどのように置かれたのか、そしてどのようなストーリーを紡いでいったのか、そのことを取り上げている。

「神隠し」に苛まれながらも、翻弄されながらも、ひたむきに迷い、脱出していくのかが非常に印象的で心を打った。