パワハラに負けない!――労働安全衛生法指南

一昨年から「ブラック企業大賞」が行われたり、新聞をはじめとしたメディアでも「ブラック企業」という言葉が使われたりし始めた。「ブラック企業」という言葉は私が就職活動を行っていた2007年頃には既にあったのだが、実際にいつ頃から使い始めたのかは不明である。

私は5年間の社会人生活の中で、「パワハラ(パワー・ハラスメント)」のようなことは存在しなかった。ただ、連日終電になるほど、忙しいことはあったものの、その当時は仕事が好きだったので、全くと言ってもいいほど苦じゃなかった。しかし、仕事をするにしても働く人それぞれ考え方は異なる。私のようなことで何とも思わないでも、ある人は「ブラックだ」と捉えてしまう人がいる。

そのブラック企業の要因には、本書のタイトルにある上司や先輩の「パワハラ」もあれば、気の遠くなるような残業、および安月給などが挙げられる。
本書はその中でも「パワハラ」における労働安全衛生法の関連について弁護士の立場から、労働の現状と予防法について提示している。

1章「職場って、働く人をむしばむことだらけ?」
本書はある新人弁護士が、数々の労働に関する案件に触れる内に、今日本にある労働問題とはいったい何なのかを見出している。
最初は弁護士の同期との話から出てきたことである。その中で出てきたものは本書のある「パワハラ」の典型的な例なのだが、それが往々にして存在しているという。

2章「労働契約とは、全人格の支配ではない」
「労働契約」はどのようなものがあるのだろうか。大まかに書くと、
「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことを内容とする労働者と使用者の間の契約」(労働契約法第6条より)
とある。法律などを絡めるとかなり多く書かれるのだが、ここでは簡単に説明しておくだけとする。
ここで言われる「契約」は「働く」「給与を受け取る」と言ったことであるため、契約によって「人格の支配」まで行っている訳ではない。本章ではそのことを指摘している。

3章「労働安全衛生法等による労働者の身体保護」
働いていると、職業によるが、けがをすること、病気になることもある。その対策のための法律ももうけられており、「労働安全衛生法」がある。その条文には、事業者(経営者)は、労働災害を防止するために、労働者たちの健康や安全を確保することを明記している。また、勤務時間についても労働基準法について明記されているのだが、抜け穴も存在しており、そこに関する係争も存在する。

4章「労働災害と長時間労働」
3章で語ってしまったのだが、病院などの場では持ち回りで「日勤」「夜勤」「非番」と言い、労働時間が日によって変わってくる。その場でも丸1日仕事をするようなことも起こっており、労働災害が起こることもある。
さらに言うと、法律・法曹と現場の価値観の乖離は著しく、労働問題に関わる弁護士も四苦八苦している。本章ではそのジレンマを如実に表している。

5章「働く人間を壊してしまうパワハラ」
会社は、時として外から見ると信じられないようなことが起こる。労働者の精神を壊し、最悪自殺にまで追い込ませるような「パワハラ」もその一つである。その「パワハラ」を法廷闘争で認め、勝ち取るためには、様々な証拠が必要である。その証拠には本人の供述が必要であるが、会話の模様と言ったものもある。

6章「職場でパワハラ予防をはかる」
では、職場単位でどのようにして「パワハラ」を予防できるのか、そのことを考える前にまず、どのようなことをやれば「パワハラ」になるのか、と言うのを知る必要がある。その基準は「人格権侵害」にあたるかどうか、という基準であるが、簡単に言えば言動や行動から、トラウマとなり、そのトラウマによって仕事に支障をきたすかどうか、というものである。

7章「パワハラ事件を真に解決する」
パワハラ事件は認められるために、「証拠」が必要と言われているのだが、「証言」や「証人」といったものである。パワハラ事件の訴訟についてそういった証拠を探すのは難しく、証拠不十分で被害者が敗訴してしまうケースも存在する。

8章「阿久津君からのメッセージ―私たちにできること」
労働に関する法律は整備されているとは言え、それが正しく運用だれているかというと、そうではない。むしろ法律の解釈による法廷闘争がずっと行われ続けている。労働法は労働者の為の法律である。その法律を適切に運用できるかは労働者の意識もさることながら、会社としても守る必要がある。

労働に関する訴訟や事件は今でも起こっている。それは会社の事情により、法を破らざるを得ないような状況に陥っているような所もあれば、恣意的に破るような事例もある。日本は法治国家である。「パワハラ」や「長時間労働」だと思ったら、専門機関に相談すると良い。

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