自民党の終焉

角川SSC新書が創刊した記念すべき1冊目が本書である。本書は昨年の参院選の結果から自民党の終焉が来るのではないか、民主党の政権交代があるのではないかと予想している。しかし現実は本書の予想とは外れてしまったことは皮肉と言えよう。

参院選の後には自・民の大連立構想があり小沢代表の辞任騒動により民主党の信頼が失墜してしまい、求心力を低下してしまった。さらには揮発油税暫定税率問題でも攻めきれずとうとう会期末に問責を出す始末。

早期解散を目指したが結局今になっても解散総選挙を行う気配がない。さらには福田政権に対する信頼の失墜もあって政治離れの危惧感も禁じ得ない。しかし福田総理が辞任を表明したことにより麻生氏が首相になることがほぼ確実の様相を見せているが、麻生陣営となったらおそらく支持率は7割台くらい。そこで解散総選挙といってもおかしくはないが果たして……といった感じである。

とはいえ良くも悪くも参院選の影響により衆・参の「ねじれ現象」がうまれ政治的に緊張感が生まれたことも間違いない。前には参院選不要論では衆議院で通った法案をそのまま通すような形となったがこの現象でそういかなくなった。

民主党の同意がなければ法案が通らないような減少となったことを考えると参議院の必要性も強くなったのではないかと考える。しかし参議院の意義とは少し外れる。もともと参議院は無所属議員がほとんどで党による干渉を受けない良識の機関として初めて成り立つ機関である。そう考えると今でも参議院不要論というのはある程度わかる。

解散総選挙は「1月解散論」が主流となってきているが、可能性は低いもののもしかしたら2例目の任期満了による解散総選挙になるのではという考えもある(ちなみに1例目は1976年の三木内閣の時、ロッキード解散とも言われている)。まさかそこまで解散はないと言っているのだろうか。