ウイスキーと私

先月28日に終了した連続テレビ小説の「マッサン」。その「マッサン」の主人公のモデルとなったのが、本書で紹介する竹鶴政孝とリタ夫人である。

竹鶴は元々酒造家の息子として生まれ、自らも酒造家になろうと考えていた。酒造家になろうと修行していた傍ら、洋酒にも興味を持ち、当時アメリから輸入していたウイスキーにも興味を持っていた。その修行元の会社の指示により単身スコットランドに留学し、ウイスキーの醸造技術を学び、帰国。そうして日本にウイスキー醸造の土台を作り上げた。その留学中にリタ夫人と知り合い国際結婚を果たしたが、その細かい経緯も本書にて言及されている。

元々日本酒の酒造家の息子として生まれ、両親も息子が酒造家として成長していくのを期待していたのだが、そのウイスキー留学にも反対され、さらには国際結婚も反対され、分家という形となってしまった。その反対に晒されながらも自らウイスキーづくりに人生を捧げ、戦争などの混乱もありながら、世界に誇るジャパニーズ・ウイスキーを作り上げた。その自らの人生を振り返った一冊である。ちなみに本書は元々ニッカウヰスキー株式会社が発行した非売品の本を復刻した一冊であり、それに様々な方が随想や寄稿を行っている。「マッサン」と言われた竹鶴政孝の考えがダイレクトに表された一冊であり、マッサンを思い出したいと言う方であれば是非読むと良い一冊と言える。