自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~

本書のサブタイトルである「生存戦略」とあるが、てっきりこのアニメを想像してしまった。
それはさておき、これまで社会が守ってくれた社会であるが、様々な面で守ってくれなくなってきた今、自分の身は自分で守ることが必須条件になっている。「守る」という意味合いから本書では「セーフティーネット」と定義しているのだが、それを作るためにはどうしたらよいのか、本書にて伝授している。

1.「セーフティーネットは自分でつくる時代―一生安泰はもう終わり」
高度経済成長期には終身雇用もあり、家族をはじめとした社会・地域とのつながりもあり、社会・地域・会社などあらゆる角度からセーフティーネットが張られていた。しかし雇用が不安定になり、会社も社会も地域も守れなくなった今、安心できるところは限られてきている。もちろん安定している状況でも息苦しさがあり、「生きづらい」世の中になったという。

2.「総透明社会の時代―自分を丸見えにすることで得られるもの」
SNSが出てきたことにより、自分自身の情報が丸見えになってしまう。もちろんその情報をつつく人も出てくる。また人間関係を維持するためのツールであると同時に、信頼を保証するようなツール、さらには人間関係を丸見えになってしまうものでもある。そのような丸見えの中で自分の得られるものは何か、そして必要なものは何か、また困るものは何か本章ではそのことについて記している。

3.「ゆるいつながりの時代―強すぎる「きずな」は「同調圧力」を生み出す」
東日本大震災のあった2011年を象徴づける漢字として「絆(きずな)」が挙げられる。その「絆」が必要以上に強いものになってしまい、本章のサブタイトルにある「同調」という名の圧力があるという。その同調は意見の違う人を排斥し、同調できるような人しかいない状況に陥ってしまう。それが是か非かは個々の判断によるのだが、高度経済成長期は同調をするだけで安全・安定は保証された。「1.」でも書いたように安定がなくなって行くようになった今、必要になってくるのは、「コミュニケーション」である。ちなみにコミュニケーションというと人と人との直接的なやりとりを連想される方もいるが、それに限らず、メールやSNS、さらには手紙による顔を介さないやりとりも含まれる。

4.「見知らぬ人を信頼する時代―だからフェイスブックがある」
「生きづらい」世の中を渡り歩くために、コミュニケーションが大事と書いたが、「3.」の最後にも書いたとおり、直接会話することとは限らない、フェイスブックのタイムラインで投稿し「いいね!」をもらう、あるいは当ブログを閲覧して感想をもらう、ということもまたコミュニケーションである。特にその類のコミュニケーションは本章のタイトルにあるように「見知らぬ人」とのコミュニケーションである。そのコミュニケーションにて信頼を得て、そうしてつながりを持つ事ができる様になる。もちろん顔も分からないので、ゆるいつながりとなってしまうのだが、「2.」で書いた「総透明社会」にあるため、包み隠すことができない。直接会うことが無くても、お互いに情報を知る事ができるため、それが「信用」につながっていくのだという。

5.「「善い人」が生き残る時代―嘘がつけないネットでは、善い人も悪い人も丸見え」
ネットは良くも悪くも書いた情報は残ってしまう。その「善くも悪くも」が肝心で、嘘の情報を流したらそれが嘘だということがすぐにバレてしまう。もちろんそういったリスクを逆手に取り、嘘をつかないこと、そして自分自身の「善い面」を積極的に積み・発信していくことで生き残ることができる。

6.「生き方そのものが戦略になる時代―善悪は宗教や道徳を超える」
ネットで情報発信ができる時代の中で生き方まで問われるようになった今、生き方そのものの戦略を立てる必要がある。具体的にどのような戦略なのか、というと自分自身の開示もあれば、行動をすることについても考え直す必要があるという。

SNSは今もなお私たちの生活の中にある。たとえ「Twitter疲れ」や「Facebook疲れ」「LINE疲れ」と呼ばれるような現象にあろうとも。そういった時代だからでこそ、新しいセーフティーネットをつくるチャンスがあり、つながりをつくるチャンスがある。新しいものには、新しいチャンスが待っている。それを掴むか、逃すかはあなた次第である。

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