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2015年6月

女の庭

女は色々な表情を持っている。その表情は表に表われているものもあれば、まったく表われないものもある。いわゆる「表と裏の表情がある」という言葉が使える。しかもその女性が何人も集まると、表と裏の共存する表情が無数に表われ、それが「息苦しさ」となる事も往々にしてある。 本書はかつて同級生だった5人の女性が一同に再会し、ともに恩師の葬式に立ち会った。そしてその5人の女性は来年も同じ故郷で会うことを約束したの […]

戦略がなくなる日―戦略は立てた瞬間から時代遅れに

企業には多かれ少なかれ「戦略」を立てる。その「戦略」は自身の企業の現状、そして理想からの距離をどのようにして縮むか、あるいは競合他社・業種と勝つためにどうしたら良いのかというのを描いた作戦や実行方法を表したものだが、実際に状況は常々変化するため、戦略について同じものが常に通じるわけではない。 また本書ではそもそも「戦略」が通用するのかどうかさえ疑問に持っており、それについての欠点を指摘している。ま […]

ピロティ

「ピロティ」とは、 「2階以上を部屋とし、1階を柱だけの吹放ちにした建物の、1階部分。ル=コルビュジエが提唱した近代建築の一技法」(「広辞苑 第六版」より) とある。本書では住宅を舞台にしているが、一般的な「ピロティ」は住宅に限らず、病院はもちろんのこと、学校などでも使われている。ピロティの部分は主にどのようにして使われるのかというと、それぞれであるが、大概は「駐車場」の場合が多い。 さて、本書の […]

生類供養と日本人

「生類供養」とは本書のまえがきにて、 「「生類」が何なのか、本来は厳密な規定が必要なのかもしれない。だがここでは、生きもの=動物と考えていただいてよい。具体的には、本書で扱っている生きものの全体である(ただし、本来の「生類」にはヒトも含まれる)。そしてわが国においては、「供養」こそが動物の命を奪う、いただく際の罪悪感を薄める「装置」、ないし「行為」または「儀礼」と考えていただきたい」(p.14より […]

選ばれる営業、捨てられる営業

営業している人の中で、「選ばれる人」と「捨てられる人」がいるという。もちろんその要因には様々なものがあるのだが、本書では「見捨てられる」事例を大きく分けて4つ、そしてそこからさらに様々な種類に分けて取り上げられている。もし営業をやっている方であれば、心当たりがあるのかどうかチェックする機会となる一冊である。 第1章「「思いやり」と「気配り」がなく切り捨てられる営業マン23種」 「営業」はフェイスト […]

比較のなかの改憲論――日本国憲法の位置

憲法改正の論議は今のところ沈静化しているとはいえ、これからまた改憲の動きがある可能性がある。私の根本は改正したほうが良いという意見なのだが、それ以前に護憲であろうとも、改憲であろうとも、憲法に関する議論は深める、いわゆる「論憲」を行うべきと考えている。 そこで本書である。本書は憲法改正の中でどこが改正される主軸となるのか、憲法改正における功罪とは何か、そして憲法改正ははたして可能なのか、憲法改正の […]

呑めば、都―居酒屋の東京

「住めば都」を捩っているタイトルだが、東京にはまさに居酒屋が多く、場所によって特色が異なる。本書は東京のありとあらゆる土地の居酒屋をめぐっているが、あまつさえ日本人でも興味深いのだが、本書は日本文学を専攻しているアメリカ人が自ら居酒屋をまわって取り上げているだけあって、日本人の知らない着眼点がある。 第一章「セーラー服とモツ焼き(溝口)」 「溝口」は駅名から「溝ノ口」と呼ぶこともあれば、地元では「 […]

ファミリーレストラン―「外食」の近現代史

今となってはごく当たり前にある「ファミリーレストラン(ファミレス)」。元々レストランが家族と外食をすることから1970年代から始まったと言われている。そのファミリーレストランはどのようにして誕生し、愛されているのか、本書はそのことについて取り上げている。 第1章「ファミリーレストラン前史①―外食の誕生」 ファミリーレストランは家族のための「レストラン」であるのだが、元々「レストラン」が変化したもの […]

人口減少時代の鉄道論

人口が右肩下がりになっている中、雇用に関しては人手不足が深刻化している。「人口減少」は経済にて悪影響を及ぼしているのだが、本書にて取り上げられている、鉄道の「定期利用」も減少しているのだという。その中で各鉄同会社は生き残りを賭けて様々な戦略を立て実行している一方で、淘汰されている会社もある。 本書はその中で鉄道はどのような道を辿るのかその道筋を追っている。 第1章「鉄道会社の生き残り戦略――脱〝ス […]

時間はなぜ取り戻せないのか

人は誰しも「過去に戻りたい」「時間を戻したい」という状況が何度かある。しかし実際は過ぎ去った時間を戻すことはできない。しかしなぜ「時間」を戻すことができないのか、それを科学的な見地から考察を行った事はなく、むしろ「哲学」の見地から取り上げたことは何度もあった(当ブログでも「時計の時間、心の時間」という本を書評したことがある)。 そこで本書である、本書は物理学の分野から時間の起源はどこにあるのか、そ […]